「梅切らぬバカ」(2021年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

和島香太郎監督による日本のドラマ映画。出演は加賀まりこ、塚地武雅、渡辺いっけい。

 

 

<あらすじ>

 

山田珠子には49歳になる自閉症の息子忠男がいた。山田家には伸び放題になっている梅の木があったが、隣家に引っ越してきた里村家の英子は、占い師をやっている珠子に対し直接梅を切ってくれと頼んだ。珠子はすぐに切ると約束してくれた。

 

里村の人間は、挙動不審な行動を取る忠男を怪訝な様子で見ていた。忠男にとって梅の木は父親のようなものだったせいか、梅を斬る際には奇声を発して何度も作業を中断させた。里村家の息子草太は忠男と仲良くなり、馬好きな彼のために乗馬クラブに忍び込んで馬を見せる。

 

ところが見つかってしまい、草太は逃げたものの忠男は怖くて動けなくなってしまった。この際に馬が逃げだして人が怪我を負ってしまう。もともとグループホームは近隣住人に好かれていなかったために、忠男はホームを追放されることになった。

 

こうして忠男は実家に戻ってきた。草太の父・茂は、山田家のことを快くは思っていなかったが、酒を飲んで「ここにグループホームを建てればいい」と言ってしまった。この一件でなんとなく両家の距離は縮まっていった。

 

<雑感>

 

近隣住民の理解を得にくいグループホームの置かれた厳しい現状に関する話。昨今、子供が公園で野球をやるだけでヒステリーを起こす人間ばかりなのだから、障碍者施設となると反対されるに決まっている。というより、何でも反対されるのだ。

 

障碍者施設をやっている人間だって何かに反対して生きている。寛容さなんてどこにもない。何でもすぐに謝罪する世の中はいずれこうなる。

 

☆2.8。道路にはみ出た梅の木が、不寛容さの象徴になっている。