「算法少女」(2016年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

外村史郎監督による日本のアニメ映画。

 

 

<あらすじ>

 

浅草寺に友達と参詣に出かけたあきは、算額を掲げる一団に出遭う。掲額しようとしていたのは、旗本の子弟水野三之助であった。三之助は日頃から、関流宗統の藤田貞資の直弟子であることを鼻にかけていた。あきはついその算額の誤りを指摘してしまい、三之助の怒りを買う。一度は折れて事を収めようとするあきだったが、三之助の執拗な追及に、父千葉桃三譲りの算法の腕で逆に三之助を論破してしまう。

そのことが評判となり、算法家としても知られる久留米藩主有馬頼徸から、あきを姫君の算法の指南役にしたいという話が、父の友人の谷素外を通して舞い込んできた。屋敷勤めに興味はないものの、逼迫する家計を助けるため、貧しい子供たちに算法を教える塾を開く資金を得るため、あきはしぶしぶ承諾する。

 

異例の出世と周囲は舞い上がるが、有馬家には三之助の師匠の藤田貞資も家臣として仕えていた。藤田は関流の面子を守るため、流派から算法に長けたもう一人の少女、中根宇多を呼んで、あきに勝負を挑んできた。

 

宇多との戦いは引き分けに終わったものの、最後に出された宿題にケチがつく。あきは手を尽くしてそれが誤解であることを証明しようとする。

 

彼女の活躍により、あきは「算法少女」という書物を出版する運びになり、初版が刷り上がったころ、彼女は農民一揆を巡る争いに巻き込まれる。一揆首謀者の赦免を願う嘆願書を届けるため、あきは乞われていた殿様との面会を承諾した。

 

算法を好む殿様は、宇多とあきを姫の算術指南役にしようと考えていたが、あきは貧しい寺子屋の子供たちに教えることを選び、殿様からもらった話を断っていた。しかし嘆願書を届けるため、決死の覚悟で自著にそれを挟み、面会の機会に渡したのだった。

 

あきの勇気により、殿様の地元で起きた一揆参加者のうち、いまだ赦免を受けていない者らの近々の釈放を決まった。

 

<雑感>

 

江戸時代に庶民の間でブームになっていた和算。多くの算術書が出版された中に、女性名義の希少本があり、それがこの話の元ネタになっているそうだ。ウィキペディアに詳しく乗っているのでそちらを参照してもらいたいが、娘の名が平章子となっており、それで主人公の名が「あき」になっている。

 

アニメはかなり独特なアートスタイルになっていて、往年の「まんが日本昔話」みたいなものだ。演出は今風。医者の娘で算術が得意な少女が、名を上げ書物を出版したのちに一揆の後始末の手伝いまでする内容になっている。

 

☆5.0。こういう題材の作品がもっと見たいものだ。