「ナポリのそよ風」(1937年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

マリオ・カメリーニ監督によるイタリアのドラマ映画。出演はヴィットリオ・デ・シーカ、アッシア・ノリス、ルービ・ダルマ。

 

 

<あらすじ>

 

ジャンニ青年は友人マックスからカメラを借りて遊覧船の旅に出た。船の上で彼は、パオラという貴婦人に出会った。パオラは写真機を見て、ジャンニのことをマックスだと勘違いした。社交界の人間のふりをしたため一文無しになったものの、ジャンニは胸いっぱいになって船を降りた。

 

彼は新聞販売店で働く庶民だったが、あるときパオラの家政婦が店にやってきてジャンニに気づいた。マックスと呼ばれても知らないふりをするジャンニ。パオラ会いたさに家政婦の後をつけて居所を探り、紳士の格好をするとマックスに成りすましてパオラに近づいた。

 

パオラの家政婦ラウレッタは、庶民のジャンニを好きになった。マックスに変装した彼は別人だと思い込んだ彼女は、ひたすらジャンニを愛し続けた。当のジャンニはパオラに夢中だったが、彼女が町を去る際に、彼女の取り巻きと一緒になり、上流階級と庶民の違いを思い知らされた。

 

ジャンニはラウレッタにだけ、本当はジャンニなのだと告げると、彼女は家政婦の職を辞し、ジャンニの元へとやってきた。そしてふたりは結婚した。

 

<雑感>

 

もうすぐ戦争だというのに。日本もそうだが、戦争ってその直前まで、あるいは戦争が始まってからも、普通に生活してるんだよな。ジャンニが働いている新聞販売店で、戦争を伝える文字が並んだ新聞が売られているだけ。庶民の生活はそのまま。

 

ジャンニのような小さな冒険をする若者も当然いる。

 

☆4.0。幸福に満ちた作品。こういう映画が好きだ。