「フロウ氏の犯罪」(1936年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ロバート・シオドマク監督によるフランスのコメディ映画。出演はフェルナン・グラヴェ、ルイ・ジューヴェ、エドウィジュ・フィエール。

 

 

<あらすじ>

 

若い貧乏弁護士のアントナン・ローズは、イギリス貴族とその召使の間の戯言のような仕事を依頼され、引き受けることになった。男爵のスカーレットは、召使のデュランにネクタイピンを盗まれ、訴訟に持ち込んだものの、大人げないことに気づいて罪を軽くしてやろうと弁護士を雇ったのだ。

 

それでも金払いがいいので、ローズは依頼を引き受けた。

 

刑務所に行くと、デュランからエレナ・スカーレット夫人に届ける鞄を託された。鞄を届けたローズは、彼女の魅力に惹きつけられながらも、彼女の行動のおかしさに気づいた。物を盗んでは、世界的大強盗のMr.フロウの名刺を置いていくのだ。

 

初めは冗談かと思っていたローズであったが、やがて重大な事実に気づいた。Mr.フロウは、刑務所の中にいるデュランだったのだ。彼は刑務所の中にいながらエレナを操り、Mr.フロウの犯罪を繰り返すことでその本物の正体を隠していたのである。スカーレット男爵というのはデッチあげられた人物で、エレナはMr.フロウの愛人であった。

 

怪盗の片棒を担がされたローズは、一計を案じる。それは、公判で虚偽の報告をしてデュランを有罪にすることだった。

 

こうしてデュランは軽犯罪でありながら1年の刑期を食らうことになる。この間に、ローズはエレナを伴って逃げることと相成った。

 

<雑感>

 

ロマンティックコメディであった。今月は戦後の旧作が多くて、見たことない作品ばかりなので楽しませてもらっている。60年代くらいまでは、アメリカ、フランスの映画のレベルはそれほど変わらない。イタリアと日本の同時期の作品は飛び抜けたものも多い。映画黄金期である。

 

大きくハリウッドが飛び抜けたのは、60年代になってからじゃないかな。フランス映画も日本映画も、ハリウッドの技術の前に太刀打ちできなくなった。

 

☆3.0。なかなか素敵な作品だった。