「美しき争ひ」(1938年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

レオニード・モギー監督によるフランスのサスペンス映画。出演はコリンヌ・リュシエール、アニー・デュコー、レイモン・ルーロー。

 

 

<あらすじ>

 

カトリーヌ・ラフォン夫人は妹のクレールを銃で撃ち、逮捕された。だが彼女は涙ぐむばかりで尋問に応じない。警察は推論を立て、クレールと面会させてみるが、姉妹揃って抱き合い、涙ぐむばかりで何も話してくれない。そもそも、話せない事情があるようだった。

 

そこに、アルプスで旅館を経営するマルグリットが、新聞記事を見てやってきた。カトリーヌは彼女の姿に驚き失神した。マルグリットは、姉妹は入れ替わっており、クレーヌがカトリーヌを撃ったのだと証言した。しかも、クレーヌはカトリーヌを語って山荘で男の子を生んでいた。

 

観念したクレールは出頭して真実を話した。

 

妹のクレールは恋人ジェラールの子を孕んだが、ジェラールから堕胎を勧められ、姉に相談した。そこで姉妹入れ代わって出産し、息子ジャン・クロードを姉の子として育てようと考えた。姉夫妻には子供がいなかったためだ。

 

その後、クレールには新しい恋人ができた。話を聞きつけたジェラールは、妊娠のことを新しい恋人に告げ口すると脅迫してきた。困ったクレールは姉に借金を申し込む。その際に、初めて我が子の顔を見て、一方ならぬ愛情を感じた。

 

子供を返してくれる頼むクレーヌ。それはできないと突っぱねるカトリーヌ。では直接姉の主人にすべてを打ち明けようと職場に乗り込んだところ、焦ったカトリーヌが発砲したのだった。

 

我が子に愛情を持ってしまったクレーヌであったが、当の子供はカトリーヌに懐いており、クレーヌを怪訝な顔で見る。クレーヌはすべてを諦めるしかなかった。

 

<雑感>

 

姉が妹を銃撃する衝撃的な場面から始まり、銃撃したのに愛し合う姉妹に困惑させ、最後はものの見事に謎解きをする。ミステリー映画のお手本のような作品だった。カトリーヌとクレーヌを演じた女優さんがどちらも美しい。

 

最近、ポリコレの影響で不細工の女優が増えているが、「ルッキズム反対」で不細工を起用するのは、暗に彼女らを不細工だと決めつけている逆差別じゃないかと思うよね。

 

映画なんて感情移入させて楽しませるものなのだから、老いも若きも、美人も不美人も、イケメンもブサイクも、みんな自分が主人公になった気分で見てりゃいいだけなのだ。格好いい男に感情移入して、まるで自分が三船敏郎になった気分で映画館を後にするから金が惜しくないのだ。

 

自分そっくりの見栄えの悪い俳優の映像を2時間も見せられて、しかも「ルッキズム反対で彼が主役になりました」なんて言われたら、やってらんねーつーの。「作品に感情移入すること」の意味を理解できないバカに権力を持たせるなと。

 

☆4.0。自分を映画スターのような美人だと思い込む権利を奪っているだけだ。