「午前2時の勇気」(1945年作品)感想 | 深層昭和帯

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アンソニー・マン監督によるアメリカの犯罪映画。出演はトム・コンウェイ、アン・ラザフォード、リチャード・レーン。

 

 

<あらすじ>

 

深夜の街角で女性のタクシー運転手がケガをしている酔っ払いと遭遇する。彼を病院に連れて行こうとするのだが、ポケットに入っている持ち物から、殺人事件に巻き込まれている疑いが生じる。真相を突き止めようと、2人はあちこちを探り始めるのだった。

 

ハンカチの詩集には「RD」とある。そのころ、演劇プロデューサーのロバート・ディリングが自宅で撃たれたとのニュースが世間を騒がせていたのだ。だが事件に巻き込まれた「RD」は他にもいたのだ。男は自分の名前を忘れていたが、彼はどこへ行っても誰かと間違われた。いくら調べても、自分がどこの誰なのか確証が得られない。

 

事件の関係者や劇場関係者から話を聞くうち、男は「セオドア・アリソン」ではないかと思うようになった。そこで電話帳を調べたが、街のどこにもそんな名前の男はいない。そこで片っ端から電話をかけ、ホテルにその名前の男が泊まっている事実を掴んだ。

 

そのセオドア・アリソンこそが殺人事件の被疑者だった。ずっと事件に首を突っ込んできたタクシー運転手の女性が警察に捕まって時間を稼いでいる間に、記憶喪失の男は事件の渦中にある戯曲「午前2時の勇気」について調べた。すると何者かに銃撃を受けた。

 

これが記憶を取り戻すきっかけになった。男はやはりセオドア・アリソンだった。彼は新作戯曲を盗まれたのだ。戯曲を奪った男が、何度も名前の浮かんでいた「テッド・エヴァンス」だった。その彼が自殺を図った。科に見せかけて、彼は銃撃を受けたのだった。警察とアリソンらは、銃撃犯を追った。

 

銃撃犯は、女優のバーバラ・ボーデンだった。

 

事件は解決し、アリソンはタクシー運転手の女性に結婚を申し込んだ。

 

<雑感>

 

脚本家のテクニックだけで作られた映画だった。記憶喪失の男が誰なのか本人とタクシー運転手が探っていく内容はスリリングで面白いのだが、脚本家の顔が透けて見えるような内容はいただけない。そこは自己主張しないでほしいのだ。もっと没入感を得たい。

 

☆3.5。どうしても自己主張したい脚本家がいるんだな。