「完全密着侍ジャパン 〜WBC全勝優勝の真実〜」(2023年作品)第5話 感想 | 深層昭和帯

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第5話 大谷翔平

 

 

<あらすじ>

 

投打二刀流の大活躍で文句なしのMVP。トップ選手たちにも衝撃を与えた打撃練習に始まり、圧倒的パフォーマンス、貪欲に勝利を追及する姿勢など、専属カメラが大谷翔平の真の姿を映し出す。そして、最後に明らかになるアメリカ戦登板の真実とは…。世界一の栄冠を掴むまでの戦いを本邦初公開の映像も交えて描く。

 

<雑感>

 

時々、話したことが現実になる人間っているよね。監督時代の落合がそうで、口にしたことがことごとく現実になっていた。落合の場合は観察と先読みの正確さで未来を当てていたわけだが、大谷はそれとはちょっと違う気がする。神様が味方についている気がしてならない。

 

番組の中で、メキシコ戦の8回くらいに周東に対して「必ず出番があるから準備しとけよ」と声を掛けたとあったが、それは試合展開を読んでそう思ったわけじゃなく、あまり出番のなかった周東に気を遣う意味合いが強かったはずだ。

 

だがそれが現実になる。メキシコ戦の最終回に打席に向かう際も、栗山監督に「ヒットを打ってきます」と宣言している。ホームランを狙っていないくらいの意味だろうが、大谷が2塁打を打ち、吉田がフォアボールで歩き、周東が代打で出て、村上なのだ。あれって、試合展開を読んで話しているわけじゃないと思うんだよな。

 

こうすれば盛り上がるとか、チャンスが生まれるとか、みんなが盛り上がるという感覚に基づいて言葉を選んでいる。根拠があるわけじゃない。「こうなれば盛り上がるな」くらいの希望的観測に近いのに、現実の方が大谷に引き寄せられていくのだ。

 

WBCのときの大谷はまさに神に選ばれた存在だった。しかもその運は、持って生まれたものではなく、明らかに彼自身が引き寄せているのだ。神に選ばれたのではなく、神に愛されたのかもしれない。まったくもって特別な存在だった。