テリー・ローン監督によるイギリスのミステリー映画。出演はディーン・アンドリューズ、ルース・ブラッドリー、ベベ・ケーブ。
<あらすじ>
結婚生活も仕事もスランプに陥り、失意の日々を送るアガサの元に、列車内で最愛の友人を殺された元従軍看護師のメイベルが訪れ、犯人捜しを依頼する。
事件は迷宮入りし捜査は打ち切られていたが、メイベルは独自に5人の容疑者を捜し出していた。アガサは失意の現実から逃れ、メイベルと共に偽の遺産相続話で容疑者たちをある屋敷に呼び出す。一方、世間ではアガサが失踪したと大騒ぎになっていた。
架空の遺産相続話をでっち上げて容疑者を集めたアガサとメイベルは、さっそく彼らをひとりひとり調べていくが、アガサの見立てが間違っていたことで無関係の容疑者がひとり殺されてしまった。自己嫌悪に陥るアガサであったが、真犯人を見つけなければ殺人は繰り返される。
人が殺されたことで警察がやってきたが、送られて生きたのはたった3人だった。アガサが行方不明とされたせいで5000人もの警官が動員されたからだ。ところがここでメイベルが容疑者ではないかとの疑いが持ち上がる。警察はアガサの正体を知ってしまうが、アガサは一緒に事件を解決させようと話して警部もこれを承諾。
殺人容疑を掛けられたメイベルの疑いを晴らし、すべての事件の犯人を炙り出した。
<雑感>
推理物の感想記事って難しいよな。あらすじに全部書いちゃっていいのだろうか? まぁこういうのは最後に探偵役のアガサがすべての謎を解いて終わるのはわかっているのだが、謎やトリックの説明はさすがに野暮すぎるかも。
この作品は、アガサ・クリスティー本人が主人公になった探偵ものなのだが、レズビアン差別とか、黒人差別とか、アガサの時代にあったのかなかったのかわからないテーマが盛り込まれていて、いや、どちらの差別もあったであろうが、それらは秘匿されていた次だったわけで、こんな真正面から差別問題を取り上げていることに違和感を感じた。
面白いところは、アガサの推理を警察が間に入って邪魔をするところなのだが、同じパターンが何度か使われているのは白けてしまったな。邪魔をするにしてももっと工夫がほしかった。
☆3.0。時代性を大切にしてくれないと。現代っぽさはこういう作品には合わない。