「神経衰弱ぎりぎりの女たち」(1987年作品)感想 | 深層昭和帯

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ペドロ・アルモドバル監督によるスペインのコメディ映画。出演はカルメン・マウラ、フェルナンド・ギーエン、フリエタ・セラーノ。

 

 

<あらすじ>

 

女優のペパは恋人イバンから別れを切り出され、荷造りを始めなければならなかった。そのペパを頼ってきたのは、カンデラだった。彼女は付き合っていた男がイスラム武装派のテロリストだったのだ。ペパはそれどころではなく、売り出した部屋の下見に来た人たちに応対していると、カンデラは飛び降り自殺を図った。

 

慌てて助け身の上話を聞く羽目に。そのころキッチンでは、下見に来ていたマリサがペパの睡眠薬入りの飲み物を飲んで昏睡状態になっていた。ペパは弁護士で知り合いのパウリナに、離婚のことで相談することに。しかし、パウリナは旅行に出るためその弁護を断った。彼女が乗る飛行機は、カンデラの恋人らがハイジャックする予定だった。

 

イバンが荷物を取りに来た。彼が浮気していたのはパウリナだった。ハイジャックの通報を受けた警察がペパの家にやってきた。通報したのは家を見に来たカルロスだった。それどころじゃないのでペパは適当にごまかし、面倒になると睡眠薬入りの飲料で眠らせた。

 

ペパは、ルシアがイバンの浮気相手だと思っていた。イバンと付き合っていたルシアは、ペパが浮気相手だと思っていた。ルシアはイバンを殺すつもりでペパの家にやってきたと聞いて、ふたりでイバンを追って空港へ駆けつけた。

 

ルシアはイバンを殺そうとするが、ペパがそれを邪魔してイバンに別れを告げた。そして自宅に帰ると刑事たち、下見に来た夫婦が仲良く眠っていた。目を覚ましたマリサに対し、ペパは妊娠していることを告げる。

 

<雑感>

 

この作品は初見。筒井康隆みたいなドタバタコメディ映画があるとむかし聞いたことがあって、この作品のことかもしれないと思い出した。何となくタイトルがこんな感じだったようなかすかな記憶がある。確かに筒井っぽいぞ。

 

人間をもののように激しく動かして、深い洞察は視聴者に委ねるスタイルだ。心理描写などを省くことで時間を節約し、状況を多く動かしていく。筒井康隆原作の映画にはこういうものが多い。確かによく似ているから、きっとこの作品のことを耳にしたのだろう。

 

☆3.7。毎日映画を大量に見ているが、未視聴の映画に時々出くわす。