さだまさしと味戸ケイコ | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

小学生のころ、田舎に帰省した帰り道の車中で、ラジオから流れてきた「精霊流し」を聴いた。情緒のあるメロディと悲しい歌詞が心に残り、ラジオのDJが紹介したグレープというグループ名だけ覚えた。

 

それから「グレープ」という言葉を頼りにレコードを探したのだが、どこにもない。聞き間違えたのか、別のグループと勘違いしたのかと諦めていたとき、店員さんが声を掛けてくれたのを機に「実は、グレープの精霊流しを探しています」と話すと、「グレープはさださんのコーナーにまとめてあります」と教えてくれた。

 

そのときすでにグレープは解散して、さだまさしはソロになっていたのだ。

 

「精霊流し」のシングルは残念ながらなかったのだが、すでに発売されていた4枚のアルバム「帰去来」「風見鶏」「私花集」「夢供養」の中から迷いに迷って「風見鶏」を購入した。

 

さだまさし「飛梅」

 

最初に購入したさだまさしのアルバムのジャケットを描いていたのが味戸ケイコさんである。このジャケットが気に入り、続いて「私花集」も購入した。

 

 

味戸ケイコさんのことは、この2枚のアルバムジャケットで知った。その後、童話雑誌などで名前を見かけ、偕成社から出版されていた絵本を購入した。

 

 

画集を買い求めるようになったのはかなり遅くて、大学生のとき、サンリオから発売されたものが最初だ。

 

 

サンリオは当時何をトチ狂ったのかSF小説を出版していて、そのついでという体裁でサンリオ出版に貢いでおいた。でも本当はただ欲しかっただけだ。

 

そのむかし、音楽をレコードで再生していたころ、アルバムジャケットというのは重要なもので、その後の人生を変えるような出会いの場でもあった。サブスクで音楽を聴くようになったいま、多くの出会いの場が失われているように感じる。

 

味戸ケイコさんの絵との出会いは、さだまさしのアルバムジャケットであった。本当はいわさきちひろさんの絵を紹介するつもりだったのだが、彼女のことはまたいずれ別の機会に紹介する。

 

グレープ「精霊流し」