「魅せられて」(1996年作品)感想 | 深層昭和帯

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ベルナルド・ベルトルッチ監督による、アメリカ・イギリス・フランス・イタリアの官能映画。出演はリヴ・タイラー、ジェレミー・アイアンズ、シニード・キューザック。

 

 

<あらすじ>

 

母親を自殺で亡くしたルーシーは、父親を捜すためにトスカーナを来訪した。彫刻家の友人イアンのモデルで稼ぎながら、父親探しに明け暮れるはずが、イアンの家には妻や娘の他に多くの人間が居候している。余命宣告されている作家のアレックスもそのひとりだった。

 

さらに息子とその友人ニコロが旅行から戻ってくる。ルーシーは多くの男性に言い寄られるが、父親を探すことが目的のために拒み続けた。

 

アレックスは死んだ。そして、彫刻が完成したとき、父はイアンであったことがわかる。ルーシーに送られた恋文の差出人は、イアンの友人ニコロの弟オスヴァルドだった。ふたりは肉体関係になり、オスヴァルドはアメリカに渡ることを約束する。

 

<雑感>

 

2度目の鑑賞。母の自殺により血縁が断ち切られたかに思われたルーシーが、大家族の中に入り、新しい血縁の確認と恋人を得て家族を作る喜びを得る作品。最近流行のテーマではないが、自分のルーツを確認して地歩を固めるのはごく普通の行動だ。最近のリベラルが押し付けてくるテーマが異常すぎておかしくなっているだけ。

 

自分が何者か知ることで、未来へ進むことができる。母の死で止まってしまったら、ルーシーには何も起こらなかったのだ。

 

☆4.0。映像も美しい。