「クローブヒッチ・キラー」(2018年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ダンカン・スキルズ監督によるアメリカのホラー映画。出演はチャーリー・プラマー、ディラン・マクダーモット、サマンサ・マシス。

 

 

<あらすじ>

 

110年前、ケンタッキー州でクローブヒッチ・キラー殺人事件が起きた。16歳のタイラーは、あるとき、父親のドンがその犯人ではないかと疑うことになった。ドンは、拘束プレイの道具を納屋に隠してあったのだ。そして、事件の被害者女性のみだらな写真を持っていた。

 

タイラーは、クローブヒッチ・キラー殺人事件を調べている女性カッシと出会った。タイラーは彼女に自宅の納屋を見せた。そこには事件を連想させる絵、被害者の運転免許などがあった。カッシはそれらを写真に収めた。

 

ベンはタイラーの行動を察知し、「あれは叔父ルディの仕業だ」と打ち明けた。そしてすべての証拠を焼却してしまった。タイラーは父の説明に納得して、キャンプに出掛けることになった。ドンは妻のシンディと娘のスージーを実家に帰省させた。

 

ドンは女装して気に入った女を殺す予行練習に励む。やはり犯人は彼だったのだ。そしてスーパーで目を付けた女性の家に入り込み、彼女を銃で脅した。誘拐した女性を縄で縛り、写真を撮っていくドン。そこに現れたのは、キャンプに出掛けたはずのタイラーだった。

 

タイラーはカッシと示し合わせて、どんが正体を現すのを待っていた。カッシはクローブヒッチ・キラー殺人事件の被害者クリスタル・ハーパーの娘だったのだ。そしてクリスタルの運転免許を見たことで、ドンの犯行を確信していた。タイラーはそれを手紙で知らされていた。

 

納屋で揉み合いになったものの、ドンが息子を殺そうとしているところをカッシが殴り倒した。ふたりは遺体を引きずっていき、自殺か他殺かわからないようにしてドンを殺した。こうしてカッシの復讐は終わった。タイラーは多くを語らず、父の葬儀を済ませた。

 

<雑感>

 

警察は、ドンを自殺と断定して処理してしまう。タイラーは父親への愛情と嫌悪を持ったまま、母と妹のこと、事件被害者の娘のことを考え、すべてを受け止める。

 

タイラーにとってドンの行動が許されるはずもなく、かといって父親が犯人として捕まれば一家は悲惨なことになる。カッシの復讐も果たされない。まだ子供だったタイラーは、悩みながらも、どんが自分を殺そうとしたことで精神的に大人になったのだ。

 

しかし、こんなイニシエーションはきつい。性への不信感、自分の遺伝子への嫌悪などで心を病んでもおかしくない。性欲などというものは、自分をおかしくするものとして嫌悪すべきなのだ。性欲で性別を決めようなんてほざいているバカは死んだ方がいい。

 

☆4.0。なかなか良くできた話であったが、正月から見るようなものではなかったな。