「ターミネーター:ニュー・フェイト」(2019年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ティム・ミラー監督によるアメリカのアクション映画。出演はリンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・デイヴィス。

 

 

<あらすじ>

 

メキシコの自動車工場で働く21歳のダニー・ラモスと弟のディエゴは、突然未来からやってきたターミネーターREV-9の襲撃を受けた。必死に逃げ惑う彼らを助けたのは、やはり未来から送り込まれた強化型兵士のグレース。ふたりは這う這うの体で工場を脱出する。

 

追撃するREV-9により、ディエゴが殺される。ダニーとグレースを助けたのは、息子をターミネーターに殺されたサラ・コナーだった。グレースはサラに対し、新たな未来では人工知能リージョンが反乱を起こし、数十億人が犠牲になったという。スカイネットの暴走を食い止めたサラであったが、未来では新たな問題が起こっていたのだ。

 

その問題のカギを握るのがダニーだった。そこで人類はダニーを守るためにグレースを派遣した。さらに、サラの元には匿名でターミネーターの出現位置の情報が知らされていた。そこで情報の発信元を訪ねることになった。それはテキサスだった。メキシコから国境を越える3人。ところが、REV-9は国境警備隊の司令官に成りすまし、3人を麻薬犯として逮捕させた。

 

追い詰められ、殺されかかった3人であったが、なんとかヘリで脱出。情報の発信元であるカールのカーテン屋を訪ねると、出てきたのはT-800であった。サラは反射的にT-800を殺そうとするが、人間と結婚して人間の心を身に着けた彼は、ジョン・コナーを殺したことを深く後悔しており、REV-9を倒すため、サラは共闘することを受け入れた。

 

エネルギー兵器EMPを奪取した4人は、迫りくるREV-9に応戦。激しい戦闘が繰り広げられるなか、ただの行員でしかなかったダニーの目つきが変わってくる。彼女は未来で幼いころのグレースを助けた人類のリーダーであったのだ。その片鱗を見せつつあった。まさにREV-9らが怖れているダニーの誕生であった。

 

グレースとT-800は必死にダニーを守る。破壊しても何度も再生して迫ってくるREV-9に対し、グレースは自分の体内の動力源を使って倒してくれと懇願。ダニーは拒むものの事態は急を要し、グレースはREV-9に対しエネルギーを使う。さらにT-800も加わり、ついにREV-9を完全破壊した。

 

グレースは死んだ。しかし、サラとダニーの目の前には、幼いころのグレースがいるのだった。

 

<雑感>

 

続編がことごとく失敗してわけがわからない有様になっていた「ターミネーター」シリーズの新作。リブート版まで失敗してすっかりオワコンになっていたが、権利がジェームズ・キャメロンに戻り、新たにT-2の続編として製作された。

 

本当に意味不明な展開だったこのシリーズをどうするのかと心配だったが、とてもスッキリとまとまっている。ジョン・コナーの死はいじらず、新たな問題を発生させて、次はダニーとグレースをめぐる物語へとシフトさせた。これなら続編も作りやすい。

 

前のシリーズの主人公サラ・コナーと、T-800を上手く使いながら退場させ、AI対人類の単純な図式に簡略化させた。

 

☆5.0。ターミネーターなんて単純な話でいいんだよ。予習が必要なアクション映画なんて意味ない。