「ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン」(2019年作品)感想 | 深層昭和帯

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ティム・アーウィン、キース・スキエロン監督によるアメリカのドキュメンタリー映画。

 

 

<あらすじ>

 

1986年~1996年まで活動、ニューヨーク出身のバンド、ジョウブレイカーの軌跡を追ったドキュメンタリー映画。90年代に拠点をサンフランシスコに移し、インディーズバンドとして絶大な支持を集めるも、1995年、メジャーレーベルのGeffenからアルバムを発表、凄まじいバッシングを受けて翌年解散、この顛末がすべて描かれている。

 

<雑感>

 

同じころ、スティーヴ・アルビニが「レイプマン」って名前のバンドを結成したんだわ。すごくいいバンドだったんだけど、人権団体からものすごいクレームとバッシングを受けて、1年くらいで解散させられた。

 

名前の由来は、みやわき心太郎の漫画「The レイプマン」から採ってる。実写のビデオにもなっているんだけど、第1作の監督が実相寺昭雄なんだわ。すまん、なんか思い出しちゃったんで書いておくわ。日本に3人くらいネタがわかる人がいるかもしれない。

 

ジョウブレイカーは、「若者たちの創造への渇望」こそがパンクだとの固定観念に押しつぶされたバンドという印象。ザ・スミスも、ラフトレードというインディーズレーベルだから支持されたところがあって、大手との契約に対しファンはかなり警戒的であった。

 

レコードもCDも売り上げが落ち、レーベル自体衰退する一方の現代にあっては、なぜそんなこだわりでバンドを圧し潰そうとしたのかわからない。別にCDなんかどこから出そうが構わないのに、あの頃はなぜかインディーズこそが正解だったのだ。

 

人間の思い込みというものはあてにならない。

 

☆5.0。90年代の音楽性としてのパンク・ロックに、70年代的なものを求めたことが、大手レーベルの忌避になったのだろうか?