「デニス・ホッパー 狂気の旅路」(2017年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ニック・エベリング監督によるアメリカのドキュメンタリー映画。

 

 

<あらすじ>

 

『イージー★ライダー』が成功し『ラストムービー』を作り上げたホッパー。だが難解な内容だと製作元に拒絶され大きな絶望を味わった彼は、酒とドラッグと暴力に溺れ、家庭も仕事も全て破綻させていく。だが'80年代に入り、徐々に復活の兆しが見え始めた。

 

<雑感>

 

ハリウッドで成功したスターはたくさんいるだろうが、個人的にこれほど好きになった俳優はいない。何がそんなに魅力的なのか、自分でもなかなか言語化できずにいる。

 

演技者でありながら、常にシリアスな雰囲気をまとわりつかせている風貌、ところが本人はいたって陽気で演技者としてのサービス精神を忘れない。それなのに、いつもどこかピリピリした空気をまとわりつかせている。デニス・ホッパーの印象というのはそういうものだ。

 

彼はあおー時計の人物で、絵を描いたり、写真を撮ったり、映画を作ったりする。なかなか良い作品だと思うのだが、それらが評価されたことはほとんどない。それでも彼は創造することを止めず、創造する若者を支援し続けた。

 

俳優としての虚像と、実像の距離感が掴みづらい人物だった。破滅的な何かを感じさせる風貌と、一時期の実生活は完全に重なっていた。どこに彼の本体があるのかわからないところが魅力的に映ったのだろうか?

 

☆5.0。デニス・ホッパーが好きな人なら楽しめる内容だと思う。彼を知らない人にはちんぷんかんぷんだろう。