「地獄少女 二籠」(2006年作品)第19・20話 感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

監督:大森貴弘、制作:スタジオディーン。

 

 

第十九話 湯けむり地獄、旅の宿

 

輪入道が訪れた温泉旅館。すっかり新しくなった旅館だが、ここは輪入道にも思い出のある場所だ。その出来事とは…。

 

第二十話 乙女のアルバム

 

いつも仲良しの樹里と麻里。学校でもプライベートでもいつも一緒だ。しかしこの二人を繋いでいるのは、藁人形の赤い糸なのだ。

 

<雑感>

 

こういう物語は因果がもつれればもつれるほど面白いものだが、この2作品は複雑で良かった。第20話の中の良かったふたりが徐々に離れていく話は、学生時代にはありがちだ。

 

高校までは不平等な人生を学校という名の平等な箱に閉じ込めてあるのでわからないものだが、大学くらいから自分がいるべき場所へと人生のステージを進んでいく。そこに平等などなく、自分の本当の人生が繁栄される場所だ。

 

地元から出ることのない田舎のヤンキーと、彼らに脅かされていた理系オタクらの格差の開き方は見ていて爽快なものがある。オタク連中のステージの進み方が激しいからだ。学校という名の平等装置から解き放たれたオタクは、一気にヤンキーどもを置き去りにする。

 

ヤンキーの、自分の方が優れているなんて思い込みは、次のステージへ進めなかった人間の惨めな誤謬なのだ。