「サマータイムレンダ」(2022年春作品)第20話 感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

原作:田中靖規、監督:渡辺歩、シリーズ構成:瀬古浩司、制作:OLM TEAM KOJIMA。



#20 All is (not) lost.

激闘を繰り広げるひづると雁切。ひづるは3周目の最後でシデが口にした「エンディング」という言葉が、ハイネの目的と違っているのではないかと考えていた。シデはそのことに応えず、自分たちを惑わそうとしているだけだとハイネを誘導した。ひづるは竜之介をシデの中に入り込ませ、内から攻撃した。雁切が剥き出しになったが、そのとき朱鷺子が加勢してきた。

慎平と澪の「影」は、もう一人の雁切の元へ向かっていた。澪の「影」が紙垂彦を迷わず刺殺するが、その後「影」の気配をたよりに移動すると、息絶える寸前の朱鷺子の姿があった。ひづると根津に救われたと語る朱鷺子は、すぐにひづるたちの元へ行くよう慎平に懇願する。

だが、すでに本物の澪が殺され、ひづるも死んだ状況でいくら動いてもループの時間が進んでしまうだけだと判断した慎平は、朱鷺子が持っていた拳銃で自殺して時間を遡った。澪の「影」とすぐさま合流した慎平は、ヒルコ堂に向かうマンホールに先回りして、窓と澪に警告した。そしてすぐに偽の慎平に誘い出された残りのメンバーを助けるべく行動を開始した。

澪の「影」に捕まり急いで離島に向かった慎平と澪の「影」であったが、すでにひづるは瀕死であった。圧倒的に不利な状況を見て取った根津は、退却を決めた。とどめを刺そうとするシデであったが、ハイネは慎平のポケットの中にある潮のネックレスが気になり、何もせずに退却した。ひづるは最後の力を振り絞って、ハイネはシデに利用されているだけだと慎平に話した。

慎平は彼女を助けようとループを試みたが、澪の「影」に止められた。もういくら頑張っても時間は残されていないのだ。ひづるは竜之介を慎平に託して息を引き取った。

<雑感>

澪の遺したペンダントがなぜハイネにだけ光って見えるのかよくわからないが、もともとハイネの左目らしいし、独自ループ以外に何かあるのかもしれないな。

ループ能力が尽きればそこでおしまいというアイデアのおかげで、展開がスリリングになっている。これは素晴らしいアイデアだな。元の時間もゆっくり進んでいる設定があるために、タイムリミットである夏祭りの夜との間隔が狭まっていく。これが新しいループ物のアイデアとして効果的だ。

慎平に惚れているふたりの少女を、途中で入れ替えるところも面白い。ただ澪の影は表情があまり変わらないので、演出に制限がかかりすぎていて効果的なのに少しもどかしい。これは澪の影が、本物の澪のために慎平に対して献身的になる前振りだろうから、そう考えると、少し感情を抑制していた方がいいのかもしれない。