マッテオ・ガローネ監督によるイタリアのファンタジー映画。出演はロベルト・ベニーニ、フェデリコ・エラピ、マリーヌ・ヴァクト。
<あらすじ>
木工職人のジェペットは貧乏で金がなかった。人形劇の一座が木の人形を使っているのを見たジェペットは自分も作ろうと思い立った。親方は動く変な丸太を彼に押し付けた。その丸太で人形を作ったところ、人間のように動き出した。人形をピノッキオと名付け一瞬喜んだもののこいつがとんでもないバカで、ジェペットはピノッキオを学校に押し付けることにした。
しかしバカなピノッキオはすぐに学校を抜け出し、サーカスを見るために教科書を売り払った。一座に捕まったピノッキオは、金貨を手に入れたもののバカゆえにキツネに騙されて盗られてしまった。裁判所に訴え出ると無罪を言い渡されたが、この町では無罪だと刑務所に入れられることから、ピノッキオは悪事を一切合切ゲロった。すると釈放された。
ようやく帰宅したもののジェペットはピノッキオを探す旅に出て留守だった。ジェペットを追いかけて海を渡ろうとしたところ死にかけてしまい、妖精に助けられた。心を入れ替えたピノッキオは、妖精の家から学校に通い、いたずらの誘惑に乗らず成績優秀者になったが、おもちゃの国に行くとの誘惑に負けてロバにされてしまった。
サーカスに売られたロバのピノッキオは、すぐさま失態を犯し、海に沈められて殺されることになった。もがいていると人形の姿に戻り、なおも溺れているとサメに飲まれてしまった。その胃袋の中にはジェペットがいた。一緒に胃の中にいたマグロの助けで脱出すると、ピノッキオはジェペットの看病に精を出した。その努力が認められ、ピノッキオは人間になった。
<雑感>
最後は感動的なんだよな。ピノキオの話って、ゼペットじいさんがなけなしの金をはたいて買ってくれた教科書を売ってサーカスを見に行くところでたいてい激怒する。だからそのあとの話はピノキオに感情移入しないまま見ることになってしまい、人間になってもあまり感動しない。
どうもイタリア人の感性とは違うようなのだ。だがこの作品はそんなに悪くはなくて、人間になったピノキオが「パパ! パパ!」と叫びながらゼペット爺さんの小屋に走っていくところでイタリアらしい家族愛を感じた。オレが年を取ってピノキオを許すようになったのか、この映画が上手いのか。どちらなのかはわからないけれども、素直に感動できた。
☆4.0。映像も綺麗だし、これはいい映画だった。