監督:林祐一郎、原作:諫山創、制作:MAPPA。
第70話 偽り者
サシャを撃ち殺したことで新生エルディア帝国に囚われていたガビとファルコは、見張りの兵士を騙して脱走を企てた。ふたりは牧場の娘カヤに助けられた。カヤの母親は4年前のマーレによる威力偵察により巨人に食われて死んでいた。エルディア人の罪について当然のように話すガビに対し、カヤはなぜ母がむごい死に方をせねばならなかったのか尋ねた。
カヤを窮地から助けてくれたのはサシャだった。カヤは自分を助けてくれたサシャを殺したのがふたりであることを知らず、ふたりもその事実に気づくことはなかった。
そのころ調査兵団の新兵を中心とした一部のメンバーが、エレンを幽閉してい事に疑問を感じ、情報をマスコミにリークした。その罪で彼らは懲罰房に入れられてしまう。調査兵団はエレンの単独行動について調査を進めていた。反マーレ派義勇兵がジークとの間を繋いだ疑いがあることから、彼らも拘束して取り調べを進めた。
エレンとエルディア帝国により大打撃を受けたマーレでは、ジークが裏切り者でありまだ生きていることを調査によって確認した。彼らは半年後に世界連合軍を編成してパラディ島を襲撃するつもりであったが、ガビとファルコ救出のためにもすぐに急襲すべきだとライナーは主張した。
<雑感>
ガビがメチャクチャウザい回。相変わらず時系列の構成が悪くてわかりづらいところがある。ファイナルシーズンは複雑なのは仕方がないにしても、脚本がわかりづらい。ヒィズル国による飛行船の提供がいつなのか判断しづらいし、ジークが生まれる前からあった飛行船を世界初と呼んでいるのもわかりづらい。
飛行船あったやん、使ってたやんみたいな。コメントで指摘があったが。
以下初見時感想。
ヒィズル国が飛行船を提供した部分が過去の回想で、他は現在の話ということでいいのだろうか。先週もそうだったが、原作を読まずに見ている層にはわかりづらい構成だった。ファルコとガビが脱走してマーレ訛りのエルディア人に匿われ、マーレの洗脳教育が揺らいでいる様子から、何かありそう。
エルディア人と一緒に彼らを解放する戦いに身を投じるとは思えないので、エレンと調査兵団が袂を分かつことがあれば、調査兵団と活動を共にする可能性もある。
その調査兵団はエレンとジークを別々に隔離しながら、「エレンの暴走」の真意を探っている状態。エレンとジークの間で何らかの合意があって、飛行船のシーンになったはずだが、その合意の場面はまだ映像になっていないはず。それが4年前なのか、時系列が整理されていないのでわかりづらい。
反マーレ派義勇兵がジークの考えを伝えているはずで、それに調査兵団が乗った形になっているのだろうが、そのときに聞いたジークの作戦からエレンが逸脱して、一部の調査兵団のメンバーがエレンに同調してしまっているとの解釈でいいのだろうか。
監督が変わってわかりづらくなったなぁ。原作を読んでいればどうということはないのだろうが。
マーレに潜入したエレンが飛行船に回収されたときにリヴァイに蹴られているので、そのときにはすでに暴走や作戦からの逸脱があったはずだが、肝心の作戦(エレンとジークの間の合意)がわからないから、何がどう逸脱してミカサからも避けられているのかまだわからない。
賛同者の若者たちは、地ならしでエルディア人を救うみたいな話に希望を見い出しているように見受けられたので、彼らはエレンが壁の中の巨人を蘇らせて世界を滅ぼし、エルディア人を救うしか自分たちが生き残るすべはないと覚悟を決めているようだった。
では、最初のジークとエレンの間にあったはずの合意はいつなされたのか、エレンはいつ翻意してジークの作戦を逸脱したのか、反マーレ義勇兵はどちらに関与しているのか、この辺りをスッキリさせたいのだが、この構成のまま続いていくとスッキリしないまま終わってしまいそうである。