「ブラック・フォン」(2022年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

スコット・デリクソン監督によるアメリカのホラー映画。出演はイーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ。

 



<あらすじ>

フィニーと妹グウェンは予知夢のようなものを見ることがあり、彼女の母もそのことで苦しんで自殺していた。妻に先立たれて酒におぼれるようになった父親はふたりを虐待するようになった。彼女らの町ではグラバーと呼ばれる誘拐犯が子供たちを連れ去る事件が起きていた。ふたりはその夢を見ていた。

そしてついにフィニーが誘拐された。閉じ込められた檻にはなぜか電話があり、先に誘拐されたブルースの声で脱出方法を伝えられた。他にも誘拐された少年たちから電話がかかり、ピンチになるたびに助けられた。しかしどうしても脱出はできず、悲しくなったフィニーは泣くのだった。

そのころ妹のグウェンはフィニーの夢を見た。監禁場所を特定した彼女は警察に連絡してグラバーの居場所に駆け付けた。そこにフィニーが現れる。フィニーはグラバーと戦い勝利したのだった。グラバーの家からは、フィニーを励まし続けた子供たちの死体が発見された。

<雑感>

イングランドの子供たちは親から散々恐怖を植え付けられて育つ。恐怖を克服するのが教育方針だったりする。以前聞いた話ではヴァイキングのころからやっている教育法なのだという。そのために、イングランドでは子供を怖がらせる類の御伽噺が多い。これは伝統的な話ではないが、実にイングランド的と感じた。

物語の舞台は1970年代のアメリカ。田舎では古い習慣が残っていたころだ。昨今のポリコレのような人工的な概念よりこうした伝統的なものの方が興味深い。

☆4.0。2022年の作品にしてはかなり良い。