「大怪獣決闘ガメラ対バルゴン」(1966年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

田中重雄監督による日本の怪獣映画。出演は本郷功次郎、江波杏子、夏木章。



<あらすじ>

Zプランによりガメラは火星に追放された…はずだった。ところがガメラを乗せたロケットが隕石と衝突。再び地球に落下して黒部ダムを破壊していずことなく去っていった。

そのころ平田一郎は戦時中に発見して隠してあったオパールを回収するため、仲間に回収計画を託していた。彼自身は脚が悪くて参加できない。一郎の弟と二人の友人は、ニューギニア行きの船に密航して現地に到着。現地人の案内でオパールの隠し場所である虹の谷に到着した。

オパールは大量にあった。宝石に目のくらんだ男たちは仲間割れを起こし、ひとりはサソリに刺されて死亡。一郎の弟圭介はダイナマイトで洞窟の入口を塞がれ、中に閉じ込められてしまった。オパールを独り占めした小野寺はそのまま船に乗って帰国。すべてを知る一郎を殺害した。

ところがオパールだと思っていた物体はバルゴンの卵であった。赤外線を照射されたことで活性化した卵からバルゴンが生まれてしまった。神戸港に到着した船を破壊して大阪に辿り着いたバルゴンを倒すためにやってきたのは、現地人に助けられた圭介と通訳のカレンだった。カレンはバルゴンの弱点を教え、巨大なダイヤモンドを出して作戦に参加した。

ダイヤモンドを使った作戦でバルゴンは弱ってきたものの作戦は失敗。万事休すと思われた矢先やってきたのがガメラだった。ガメラはバルゴンを咥えて琵琶湖に引きずり込んで倒した。

<雑感>

ガメラシリーズの第2作。なんといっても黒部ダムの崩壊シーンが良い。本当はもっと濁流が街を飲み込むところまで作れればよかったのだが、ダムが決壊するシーンだけでも大迫力であった。炎を噴き出し回転しながらそれを飛ぶガメラは実に見栄えがいい。

バルゴンの誕生シーンもいい。卵が割れて生まれたての爬虫類が顔をのぞかせるシーンはリアリティがある。このころの特撮は決してハリウッドに負けていなかったものだ。

この作品も確か高校生になってからレンタルビデオで視聴したはず。だからガメラシリーズは幼少期の思い出が少ない。市街地から離れた学校だったため、いま思えば単なる田舎者だったな。ガメラのことはみんな知っているが、実際に見て学校で話題になることはなかった。

この作品となると生まれたころのものなので、当時はテレビで放送されるのを見るしかなかったはずだが、ゴジラと違ってガメラが放送されることは少なかった。小学校に上がるころにはすでにシリーズが終わっていたのも大きい。1作だけのリメイク版は中学校に上がる前の春休みじゃなかったかな? 90年版になると大学のときだから子供のころのような熱狂はない。

☆5.0。時代的にタイミングが合わなかったガメラではあるが、ゴジラと並ぶ怪獣ヒーロー。もっと大事にされていいはずだ。