「今甦る!昭和ヒーロー列伝」(1993年~96年作品)第8回 感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

「今甦る!昭和ヒーロー列伝」は喜井竜児という中京テレビのディレクターが作っていた深夜番組。



第8回「快傑ズバット」(1977年作品)

  第01話「さすらいは爆破のあとで」

  第15話「哀しき母の子守り歌」

  第32話「さらば斗いの日々、そして」

<雑感>

日活無国籍アクション映画を意識したさすらいのヒーロー怪傑ズバット。この作品が特撮ファンや当時の子供に与えたインパクトは大きく、のちにリスペクトされるかのように設定が踏襲されたかどうかは定かでない。実際当時どれくらい人気があったのだろうか。

1977年というと世の中不景気で、ゴジラ映画は休止状態、楽しい話題はなく、ノストラダムスだのインチキ臭いものが世を席巻していた。唯一の明るい話題は「スター・ウォーズ」だけ。「快傑ズバット」は爽快な作品だが、世相にマッチしていたわけではなかった。そもそも日活無国籍アクション映画自体60年代にブームは終わっている。

個人的にも当時は「スター・ウォーズ」に夢中だった。とにかくメカが格好良くて、日本の特撮がすべて霞んで見えるようになっていた。ズバットの印象もあまりないし、学校でもまったく話題になっていなかった。当時の特撮なら1番人気は「がんばれ!!ロボコン」(1974年~77年作品)、次点で「5年3組魔法組」、男の子限定なら「大鉄人17」だったんじゃないか。

アニメだと「あらいぐまラスカル」などの時代。「快傑ズバット」がウケる要素は少なかった。

しかし、その最終回はやけに強い印象が残っている(結局見ていた)。ズバットスーツを超える特殊素材が開発されているのに、主人公早川健はあえて親友飛鳥五郎が作った旧式強化服ズバットスーツで戦い、全身ボロボロになるのだ。これが何とも言えず格好良かったんだなぁ。

ダッカーを壊滅させ、ズバットスーツを失った早川健は、再びさすらいの探偵稼業に戻っていく。あの雰囲気は「仮面ライダーW」の左翔太郎に受け継がれた(はず)。実際どうかは知らないが、左翔太郎のキャラを見たときにズバットを思い出したものだった。