「笑ゥせぇるすまん」(1989年~93年作品)第121話 感想 | 深層昭和帯

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原作:藤子不二雄Ⓐ、制作:シンエイ動画。



121. 何もしない課 (SP)

サラリーマンの大仁(34)は何も仕事がない「夢任課」へ異動させられた。会社の番外地への島流しに大仁はやる気を無くすが、喪黒は夢任課へ素敵な女性・真知子を派遣する。真知子の存在で夢任課の雰囲気は明るくなる。夢任課には毎日スクラップばかりやっている中年男性がいたが、彼だけ真知子を拒否していた。大仁は「彼は放っておけ」と真知子に話した。

だがこれが失敗だった。男は自殺。真知子は責任を感じて会社に来なくなった。大仁は頭が狂ってしまい、スクラップばかりやるようになった。

<雑感>

スクラップブックを作っている人間がスクラップになっていく怖ろしい話。実はこれには背景がある。バブルが崩壊して一転人余りになった会社が窓際とか追い出し課を作り始めたころの作品なのだ。いま60代の人間や、我々バブル世代は酷い目に遭った。

オレの場合は出版社勤務で、バブル崩壊の影響より出版事業の斜陽化の方が問題だったが、同級生たちはせっかく入社した会社で団塊世代にいびり抜かれ、自殺した人間もたくさんいる。当時団塊世代は中間管理職クラス。気に食わない人間は連中の一存で死ぬよりつらい目にあわされていたものだ。有能な人間ほど団塊の中間管理職に睨まれる酷い時代だった。

漫画業界はむしろバブル崩壊後しばらくは全然大丈夫だった。事業のほかの部分、会社の不動産投資の失敗などの責任をリストラで穴埋めされることが多かったな。