「新・女検事霞夕子 早朝の手紙」(1999年作品)感想 | 深層昭和帯

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猪崎宣昭監督による日本のサスペンスドラマ。出演は鷲尾いさ子、床嶋佳子、沖直未。

 



<あらすじ>

横浜港が程近い高層マンションの一室で男の他殺死体がみつかった。殺されたのは美術評論家の槙圭一郎(西田健)で、凶器はそばに置かれていた果物ナイフ。周辺を調べた捜査陣は、屋上で首吊り自殺をしている槙の妻・みさき(あめくみちこ)を発見。みさきの衣類に槙の返り血が付着していたことから、みさきが槙を殺害し、その後、自殺した線が強くなった。

みさきの母は3年前に死亡、父親・矢嶋満作(織本順吉)は2年前に倒れて療養所でリハビリ中。そんなことが原因で、みさきは軽度の鬱病にかかっていたのだ。しかし霞夕子は事件に不可解なものを感じていた。みさきはインテリアデザイナーの坪内昇子の恋人を奪った人物でもあった。さらに弁護士の安部聡美を加え、3人は女同士の友情で結ばれていた。

槙圭一郎は美術品の売却代金5000万円を所得隠ししていた。金を預けられた3人は、みさきの父親の治療費にその金を当てていたが、圭一郎は金を返せと言い始めていた。

犯人はみさきの友人のひとり坪内昇子。彼女はみさきが夫と別れることを決意し、自殺した現場を目撃してしまった。親友の自殺にショックを受けた彼女は、金をみさきの父親のために使い、圭一郎を殺した。実は3人は、中学生のころに坪内昇子の闘病中の母を殺した間柄だった。殺人により昇子は自由になり、インテリアデザイナーとして成功した。

昇子はそのことを感謝しており、友人のみさきを救えなかったことを後悔していたのだ。

<雑感>

この作品は誰が犯人かわからないまま推移。事件の動機もずっと隠されていて、夫と妻の間に何があったのかも中盤まで分からない。こういう内容でやればいいのにと思うのだが、火曜サスペンスドラマはながら見の視聴者に合わせて推理の部分は控えめにする傾向があると嫁に教えてもらった。

☆3.6。友人を救うために、その母親を安楽死された3人の女子中学生の友情。悲しい友情だった。