「青いブリンク」(1989年作品)第38話 感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

原作:手塚治虫、監督:原征太郎、シリーズ構成:柳川茂、制作:手塚プロダクション。



第38話 光と闇のグロス城

カケルたちに、グロス皇帝の魔手が伸びる。階段が大蛇に姿を変え、カケルたちが倒したグロスの手下たちがゾンビとなって、カケルたちに襲い掛かってきた。牢の中でそれを見ていた春彦は、何も出来ない自分に苛立つ。だがかれは自分がグロス皇帝の行動を先読みできることを思いだし、ノートに記していった。するとその想いはカケルに伝わり、グロス皇帝の攻撃を退けることができた。

四季春彦は自分とグロス皇帝の関係を見破り、後事をカケルに託してこの世から消えた。カケルは勇気を奮い起こしてグロス皇帝に立ち向かったが、剣を振り下ろして殺してしまうことはできなかった。グロス皇帝からブリンクを守ろうとしたカケルの涙が、闇の城に光を差し込ませ、その光が皇帝の面を破壊した。そこにいたのは四季春彦であった。

<雑感>

ついに大詰め。物語の作者である四季春彦こそがグロス皇帝であった。これは世界を支配しているのは作者だから当然。こうしたメタフィクションの構造は、日本では70年代から90年代ごろまでかなり流行したが、もともとメタっぽいことが好きだった手塚もアニメで企画していたのだな。

絵本の中を旅するところが面白い。