「Gメン」(1935年作品)感想 | 深層昭和帯

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ウィリアム・キーリー監督によるアメリカのサスペンス映画。出演はジェームズ・キャグニー、マーガレット・リンゼイ、アン・ドボラック。

 



<あらすじ>

暗黒街の顔役マッケイの庇護を受けて弁護士になったブリック・デーヴィスは、法学部の同窓をギャングに殺されたことがきっかけでGメンになった。ワシントンで仕事を開始したブリックは、ソリの合わない上司に苦しめられながらも着実に成果を上げていった。

世話になったマッケイを引退させると本格的に組織を潰す行動に移った。そして最後の大物ブラッド・コリンズを検挙しようとしたところ、コリンズは忽然と姿を消して行方は杳として知れなかった。マッケイに世話になっていた頃の幼馴染でコリンズの妻のジーンを問い詰めると、コリンズはマッケイが隠居した山荘に隠れていると分かった。

ブリックは警官隊を率いて山荘を包囲したが、死んだのはマッケイでコリンズは逃げ延びてしまった。何度追い詰めてもコリンズには逃げ延び、ついにはブリックが愛していた上司の娘ケイを人質にとって高飛びを企てた。ジーンがこれに気づいて通報し、人質は解放されたが、ジーンがコリンズに撃たれて死んだ。多くの犠牲者を出しながら、ようやくコリンズは射殺された。

<雑感>

一昨日の夜見た作品で、昨日感想記事を書ききれなかった作品。これが面白い映画で、古い映画のフォーマットでこれだけサスペンスを盛り上げられた映画はないってくらい。ブリックは世話になった人間や、周囲にいた人間すべてを巻き込んでそれでも正義のために突進していく。友人を殺された復讐心を正義に昇華していくのだ。

どんどん純化されていくブリックの正義に呼応するように、ジーンもケイもブリックに協力していく。その前にはマッケイもそうだ。これが物語の中核となってグイグイ観客を引っ張っていく。サスペンス映画の傑作であった。

☆5.0。ジーンはブリックに秘かに恋していたようだ。そういう伏線も効いている。