「村の秘密」(2015年作品) | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

アンドレアス・プロハスカ監督によるオーストリアのサスペンス映画。出演はゲルハルト・リーブマン、サイモン・ハッツル、イネス・ホンセル。

 



<あらすじ>

田舎の警察官ハネス・モックは、テレビの中でしか犯罪を見たことがなかった。そんな彼が鉄鉱山のトンネルの中で見つかった国会議員の娘で16歳のバーバラ・プラントルの殺人事件を担当することになった。その日山岳救助用にシャフトが開けられており、そこから転落したと思われていたが、森の中で血痕が見つかり、殺人事件の可能性が出てきたのだった。

教会で行われた誕生日会の帰りだった彼女は、泥酔しており、誤って転落した可能性が高かったが、ハネスは彼女の携帯電話がなくなっていることが引っ掛かった。隣県から派遣されてきたハインリッヒ・プレシュベルガー警部も事件を示唆。ハネスが書いた事故の報告書は却下された。プレシュベルガーはプロファイリングの結果から、地域をよく知る村人の犯行を疑っていた。

事件現場の近くには、トニ・マレの小屋があった。小屋にはバーバラの身分証が入ったリュックが置かれていた。小屋は村人ならば誰でも入れるようになっていた。レストランを経営するトニを事情聴取したところ、プレシュベルガーに煽られてすっかり憤慨してしまった。ハネスは徐々に村人から白眼視されるようになった。

バーバラのセックス動画がネット上に投稿された。投稿主はバーバラ自身だった。相手の男は尻に星のタトゥーが入っていた。バーバラの彼氏ルイスはタトゥーを入れていない。バーバラは、別の人物と寝ていたのだ。ルイスは自殺未遂事件を起こした。ハネスは彼を見舞って衝撃の事実を知った。ルイスはバーバラと付き合ってはおらず、バーバラの母親と付き合っていたのだ。国会議員夫人である。

プレシュベルガーの村人への侮辱は続いた。親友のメリに聴取したときは、バーバラと比較されて惨めだったでしょうと彼女を侮辱した。恨まれるのはハネスばかりであった。メリは動画をすでに知っており、そのことを電話で誰かに伝えた。

ハネスは覆面の3人組に襲撃された。村の誰かの仕業だったが彼はそれを追求せず、バーバラの真の恋人スラティーを尋問した。スラティーはハネスが秘かに憧れる青年の家を営むスザンヌのところにいつもいる青年だった。その青年の家に、バーバラの父の命を受けた村の男たちが集まってスラティーを脅迫していた。ハネスは勇気を出して村の男たちを追い払った。

国会議員に逆らったハネスは停職処分になった。家に戻ったハネスは、ブッディストの父親と話をした。すると父は尻に星のタトゥーがあるのは、チャーリー・ロイターだと教えてくれた。チャーリー・ロイターはバーバラの父の秘書をやっている男で、村人を焚きつけて青年の家を襲わせたのも彼だった。観念したチャーリーはすべてを話した。

チャーリーは、ホモセクシャルのバーバラの父と肉体関係にあった。父を嫌っているバーバラはチャーリーを誘惑してセックス動画を撮影させると父親に送りつけた。自分が付き合っている男と娘がセックスをしているところを目にした父親は動揺し、スラティーと逃げるつもりだったバーバラを森の中で捕まえ、口論となった。侮辱された彼は、娘を殴った。娘は苔むした岩で頭を打って死んだ。

事件は解決した。ハネスは復職を望まず、バックパッカーとなってしばらく旅に出ることにした。

<雑感>

 

原題:Wennduwüsstest、wieschöneshierist

珍しいオーストリアのテレビドラマ映画。諸悪の根源はホモの国会議員で、夫がホモゆえに妻は若い男を誑し込み、家庭は崩壊。若い男と付き合う母とホモの父親に悩まされた娘は、母の浮気を隠すためにルイスと付き合っていることにされ、本当に好きなスラティーとの交際は、彼が貧しい家の人間であるが故に反対された。

こんな理不尽あるかホモのくせにと娘は反発。父の男を寝取る。そして何もかも捨てて逃げようとしたその日に父親に殴り殺された。これが事件の真相だった。「村の秘密」なのかもしれないが、タイトルから連想するようなことはひとつもなかった。

☆4.0。大掃除も終わったし、あとは買い出しするだけだ。