「ジェイコブス・ラダー」(2019年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

デヴィッド・M・ローゼンタール監督によるアメリカのサイコスリラー映画。出演はマイケル・イーリー、ジェシー・ウィリアムズ、ニコール・ベハーリー。

 



<あらすじ>

アフガニスタンで兄を亡くしたジェイコブは、兄の恋人だった美しい妻と結婚して、退役軍人施設の病院で外科医として働いていた。あるとき彼は、アトランタでまだ兄が生きていると聞かされて動揺した。兄のアイザックは、ホームレスに紛れて生活していた。ジェイコブは兄を救出した。兄はHDAという薬を服用しており、時折高熱を発した。ジェイコブもまた幻覚ばかり見るようになっていた。

アイザックと再会した話を誰も信じてくれなかった。妻のサマンサだけがアイザックの帰還を一緒に喜んでくれた。しかしちょっとした行き違いからまた兄はホームレスに戻り、薬を服用した。ジェイコブはまた幻覚を見て、自分が誰なのかわからなくなってきた。

ジェイコブは、兄に起こったと思っていたことが全部自分の記憶だと思い出した。幸せなのは兄で、不幸なのは弟の自分だった。妻は兄の妻で、子供もそうだった。彼は戦地で失敗を犯してその責任から頭が狂いかけていた。HDA中毒患者は自分だったのだ。

<雑感>

リメイク版の「ジェイコブス・ラダー」を視聴した。反戦のメッセージが強かったオリジナルと違って、兄と弟の記憶を入れ替えるテクニカルな作品になっていた。脚本家も演出家も、こういう難しい作品に挑戦したがるが、主題を見失って果たして良かったのかどうか。

個人的には好きになれなかった。人種の違う兄弟とか、夫婦とか、主題とは別方向ですべてが現代的になっていた。どうでもいいことだけに一生懸命になって、肝心のメッセージはおざなり。

☆2.0。「猿の惑星」のリメイク版も酷かったが、これもいい加減にしろと言いたいほどの出来だった。