「エクソシスト」(1973年作品)感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

ウィリアム・フリードキン監督によるアメリカのホラー映画。出演はエレン・バースティン、リンダ・ブレア、ジェイソン・ミラー。

 



<あらすじ>

女優のクリス・マクニールは撮影のために借りた家でひとり娘のリーガンとともに暮らしていた。新しい家で大人しくしていたリーガンだったが、徐々に様子がおかしくなってくる。心配になったクリスは医者に診せたが原因はわからない。すると友人の映画監督がクリスが借りている家の階段で殺される事件が起きた。警察はクリスを被疑者にして取り調べを開始した。

クリスは娘がバーグの声で彼を嘲笑するのを聞いて、悪魔に憑りつかれたことを確信した。そこで近くに住むデミアン・カラス神父に悪魔祓いを依頼した。彼は悪魔憑きを否定していたが、リーガンから救助のメッセージが届き、悪魔の存在を確信した。彼は大司教に許可申請を行った。

司教からランカスター・メリン神父が派遣されてきた。メリン神父はイラクで悪魔の像を発見しており、この日のことを予見していた。ふたりは悪魔祓いに挑み、序盤は上手くいったもののメリン神父が心臓病の発作で倒れると形勢は逆転した。ギリシア移民の母親のことで精神を揺さぶられるカラス神父。しかし最後は自らの身体に悪魔を憑依させて意識があるうちに自殺することで悪魔祓いを成功させた。

<雑感>

ガチホラーはNG。この作品は小学生のころに公開されてクラスでも大評判になったのだが、まだ小学校の低学年だったのでリーガンの首がねじ曲がるところとか、身体が浮かび上がるところとか、断片的なシーンだけが語られていたと思う。

悪魔が憑依する話などまったく知らないいたいけな小学生だったオレは、母親にこの映画を見に行きたいと願い出た。そのとき我が家で決まったルールが「ホラー禁止」である。映画は見せてあげるが、ホラーはダメだというのだ。そのときは家で決まったルールだから仕方がないとすぐに諦めたものだが、のちに母親から「恐怖体験は脳に微細な傷がついて犯罪性向が高くなる」みたいな説明を受けた。

この映画の成功で聖書をネタにした「ダミアン」などが同じく日本でヒットするが、内容を知らないまま今日に至る。誰もが知ってる有名ホラー映画を観ていないので「映画が好きそうなのに意外ね」みたいな反応をされることが多い。ホラーを解禁したのはごく最近のことで、ホラー映画が見られない分の情熱は読書と特撮映画に向けられた。

☆5.0。ホラー映画が作られすぎ、コメディテイストの作品も増えるなか、この作品の怖ろしさは色褪せることがない。嫁はあまりの恐怖に携帯を取り出してツイッターに逃げた。