「上州鴉」(1951年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

冬島泰三監督による日本の時代劇映画。出演は大河内伝次郎、水戸光子、星美千子、加東大介。

 



<あらすじ>

年貢が払えず五十両で娘を年期奉公させることになった百姓の佐兵衛は、当の山形屋の子分に金を奪われて途方に暮れてしまった。義憤に駆られた関所破りのお尋ね者星越の瀧蔵が金と娘を取り返したものの、今度は瀧蔵の身辺が怪しくなって居酒屋に匿ってもらうことになった。

さらに賭場で失態を演じて女房お吉を奪われることになった男亥之にも加勢して、何もかも罪を背負って山形屋と喧嘩になってしまった。そんな彼に助けられたお吉は、父に頼んで助けてもらおうとした。ところがこの父は、長年星越の瀧蔵を追いかけている同心であった。

ついに観念した星越の瀧蔵は、お吉の父に引っ立てられていった。彼に助けられた者たちはみな涙ぐみ、彼に感謝したのだった。

<雑感>

粋でいなせな星越の瀧蔵さんのお話。関所破りで罪を負った彼だが、望郷の念に駆られて近くの宿場まで戻ってきたのに、自分の罪とは違い問題に首を突っ込んでしまい、結局故郷に戻ることなくお縄になってしまう。そんな危険を冒しても、理不尽は許せない格好いい男である。

☆3.8。いまでも旅回りの一座の演目などはこういう内容のものが多い。いつの時代でも「格好いい男はいないかねぇ」と誰しも思っているのだ。