ディート・モンティエル監督によるアメリカのアクション映画。出演はアル・パチーノ、チャニング・テイタム、トレイシー・モーガン。
<あらすじ>
クイーンズボロに住むジョナサンはミルクというあだ名で呼ばれていた。そこは貧民窟で犯罪の温床。誰も死体があっても気にしなかった。彼はそこでいくつかの殺人を犯した。警察は彼が犯人だとわかっていたが、ミルクは警官の息子であったため警察は何もせずに処理した。クイーンズボロは彼ら治安向上委員会によって一掃され、再開発されていった。
もうミルクとは呼ばれなくなっていたジョナサンは、突然警官のなるための試験を受けて採用された。だが、彼の過去の事件について報道され、警察からは隠蔽を命令された。記者との話し合いは上手くいかず、直後に何者かによって殺され、ジョナサンが犯人にされた。
何が起こっているのかわからずに当惑していると、警察は事件のストーリーを作り、ジョナサンの友人を殺し、彼をかつての殺人事件の犯人にして事件の幕引きを図ったのだった。罪を告発する手紙を出していたのは、ジョナサンの友人ヴィニーの妹で、彼女の考え足らずが兄を殺した。
<雑感>
隠蔽工作の黒幕チャーリー・スタンフォード警察委員長は、ジョナサンの父のかつての相棒。相棒の息子をあくまで守り、次の警察委員長を指名したかった彼が、幕引きを図った。
内容としては警察の横暴を訴えているわけだが、NYのような治安がボロボロの街で、ある程度の配慮もなしにただ真実を明るみにすることだけが正義なんだろうかという気がする。
相棒の子供でもお構いなしに少年院にぶち込む。相棒は退職する。底辺層に落ちていく。治安がメチャクチャなのに再開発せず放置する。事件が起き続け、氷山の一角だけ逮捕する。それでいいのだろうか。NYタイムズはそれでいいだろうが、そこで暮らす人々はそれでいいのか?
ジュリアーニの時代、NYの治安は回復した。そしてNYタイムズの大キャンペーンで民主党が市長になって治安は大幅に悪化。クオモの時代になってもう取り返しがつかなくなっている。これって警察が陰謀を図り、巨悪を見逃したという話なのだろうか?
☆2.5。アメリカのリベラルは価値観が完全に反転してしまっており、彼らの訴える正義こそが巨悪そのものじゃないのかな。アメリカから正義は失われてしまったのかもしれない。