「空の上3メートル」(2010年作品)感想 | 深層昭和帯

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フェルナンド・ゴンサレス・モリナ監督によるスペインの青春映画。

 



青春映画なので話の筋は単純で、バイクが好きな不良とお嬢さまが付き合い始める。ふたりは若いので周囲の反対など聞かず、セックスを繰り返す。バイク仲間が事故って死ぬ。お嬢さまが自分の相手が街の不良だってことに改めて気づいて賢者モードに入る。別れる。

これだけだ。

青春映画の王道ラブロマンスなのだが、日本では表現としては廃れたパターンなので逆に新鮮。尾崎豊みたいな感じだ。麦ちゃんの彼女も不良と付き合って獣医学部志望の麦ちゃんから離れていったな。麦ちゃんがわからない人は別に調べなくてもいいです。

よく言われる表現だが、子供だけがかかる麻疹みたいなものだ。

男の子にとってはお嬢さまをモノにした武勇伝になり、女の子にとっては計算なしで付き合った唯一の人物として記憶される話。

「空の上3メートル」が「秒速5センチメートル」みたいなタイトルだったので視聴したが、ありふれてはいるけどもそこそこ楽しめる映画であった。評価するなら星2.5くらい。

同じ初恋を描いた「秒速5センチメートル」は、こうした経験が全くない真面目な人の叶わなかった初恋を描いていて、物語としてはこちらよりはるかに優れた傑作だ。

バイク乗りのオレとしてはこの映画も悪くはないが、表現の新しさで「秒速5センチメートル」に敵う作品だとは全然思わない。