「スピーシーズ 種の起源」(1995年作品)感想 | 深層昭和帯

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ロジャー・ドナルドソン監督による1995年のSFホラー映画。

 

 

<あらすじ>

 

とある研究室で飼育されていた少女は、殺処分を拒んで容器から脱出し、逃走を図った。少女の名はシル。彼女は地球外生命体の遺伝子を人類の遺伝子に組み込んで作られた新生物だった。電車に乗り、そこで蛹になった彼女は成人女性の姿になり、なおも逃亡した。

 

シルは繁殖の欲望のままに男を誘っては殺害していく。知能を得た彼女は自分の死を偽装してついに繁殖を果たす。その子を放置していると大変なことになることから、追跡チームは火炎放射器で母子を殺害する。

 

ところがその遺体をネズミが食べ、地球外生命体はネズミを媒介して繁殖を果たす。

 

<雑感>

 

90年代の技術と80年代的なストーリーながらなぜか女優のヌードで話題となり数々の続編が作られることになった。いま思えばプロデューサーが気に入った若い女の子と寝るための映画だったのかもしれない。

最近の凝った脚本と比べると単純かもしれないが、スリルある演出で画面に引き込む力はある。

この物語に登場するキメラ生物シルは、異星人から送られてきた未知のDNA情報と人間を掛け合わせたものなのだが、まず異星人がなぜDNA情報を送ってきたのか深く考えずに人間のDNAと組み合わせてしまうところが滅茶苦茶というか笑いどころ。

一方で異星人がコンタクト方法としてDNA情報を送り付けてくるアイデアは良いと思う。人類は未知の知的生命体に対して音声情報や文字情報などを送り付けているのだから、それを解読して何らかの反応が情報としてもたらされるアイデアはもっと使っても良かった。

☆3.0。活かしきれなかったSFのアイデアと、そこそこ頑張ったホラーのアイデア、SFXなどすべての努力が女優の裸に負けてしまったという意味では残念な映画だった。