「手」が美しかった | asukaのブログ

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ニュースを見ていない・・・と、昨日気づいた。

我が家は何があっても、ニュースを見る。という習慣があり
それは独り暮らしになった今でも、続いているんだが

ごくごくまれに、気づいたらニュース(TVもネットも)を見ていないことがある、

全く気付いていなかった小澤征爾さんが亡くなったこと。

1度だけ、彼の指揮を見たことがある。
それも偶然というかミラクルみたいな・・・

知り合いの知り合いが、オペラ歌手?楽器奏者?の追っかけをしていて
神奈川県民ホールで行われるチケットが余ってしまったらしい。
神奈川県在住で、舞台をよく見ているというだけで、声をかけられた。
演目は「魔笛」
高校時代に授業で見たことや県民ホール。更に3階席、お酒会社主催のコンサートで通常より安価だった(と記憶している)だったので、二つ返事で行くことをきめたような・・・
どなたが出演するのか、オケがどこなのかも一切調べずに当日知り合いと会場へ向かった。

会場で初めて、指揮が小澤征爾さんだと知った←ヲイ!
3階席までたどり着くと、席には既に人が座っていて(恐らくデート)
「ブッキングですね」とさらっと男性に言われた。
仕方がないので、ロビーまで降り、事情を話終わる前に
「大変失礼いたしました、こちらのチケットをどうぞ」と差し出された。
お礼と共にその場を離れて、座席を確認したところ・・・
前から11列目のど真ん中に近い席(◎_◎;)
席に向かうと、周りは正装をしたとっても大人たち。
あの時は3階席と言えど、ツーツで行って良かったと思った(笑)

演目が始まると、席への緊張も解けていき、舞台に引き込まれる。
授業ではこんなに面白かったっけ?と思いながら
舞台真ん中下から、時々チラチラと見えるなにかに気づいた。
本来の席は3回なので、芝居用の双眼鏡を持っていたので、見ると
小澤征爾さんの指揮をする「手」だった。
しばし舞台を忘れるほど、優美な動きだった。
あぁ・・・メロディが生まれていると思った。

それから、生オケのある芝居をいくつも見て来たが、あの「手」を思い出すことがある
あの優美さは何だったんだろう・・・すごく不思議な「手」だった。

実は、更に凄い事があって・・・
帰りは、チケットを譲ってくれた人のオススメの中華街にある台湾料理店に行った。
今は何件もあるが、当時は台湾料理店はほとんどなかった記憶がある。

そこで食事をしていると、入り口が開いて一人の男性が入ってきた
小澤征爾さんが真っすぐ厨房へ向かって
「後で団員たちときますから」と一言いって、さっと去っていった。
店内騒然。多分、お箸持って口開けたまま、彼の姿を追っていたと思う(笑)

後々、新聞に彼の連載が掲載された時に、引き上げの時に親切にしてくれた人がやっているお店で、横浜で公演があると必ず団員を引き連れてお店に行っている。とあった。
お店の名前を失念したのが悲しい・・・今はもうないかもなぁ

彼の訃報を読んで、そんな1日を思い出した。
ご冥福をお祈りいたします。
あの1日は、多分生涯忘れない日だと思います、そんな数時間をありがとうございました。