追記(11/20)
天リフ編集部さんにリポストいただきました。
リコリモでお試し撮影。「わずか48分の露光」も2200mmF4のパワーで「驚くほどOIIIリッチな天体たち」。
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) November 20, 2024
「今夜も快晴!★koheiの天体写真★」よりピックアップ。
https://t.co/D5njqskdfY
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(11/19)
以前のCANPにて紹介のあったリコーによる海外での天体撮影サービスの1時間のお試しモニター無料使用があったので申し込んで撮影してみました。まずは結果から。
【大マゼラン雲内のCosmic Reef (NGC2014・2020) と南のかもめ星雲(NGC2032他)】
※縦方向トリミング(センサーは正方形)
【Cosmic Reef (NGC2014・2020)拡大】
どういったサービスかまた詳細についての説明は星ナビ等で出ていますので割愛しますが、一言で言えば、指定した日時の使用料を払うと、オーストラリアにある大きな望遠鏡で指定した天体を指定した撮影条件(センター座標、露光時間、フィルターなど)で撮影してくれ、撮った生データを返信してくれるというサービスです。(曇った場合には返金)他の海外のリモートサービスはシャッターを開いたりする操作はその時間にリモートでやるのですが、これは向こう側が全てやってくれます。あまり臨場感がないのが他に比べた欠点ですが、人によってはこれでよいのかとも思います。
今回お試しで、日本では撮れない天体ということで大マゼランの中にある赤青カラフルな「宇宙のサンゴ礁」NGC2014、2020のエリアを選びました。右下で、赤く光っている星雲はNGC 2014、青く光っている星雲はNGC 2020です。どちらの星雲も、非常に高温の若い星々からの強力な恒星風によって削られてこのような形になりました。また、それらの星々からの紫外線が星雲を輝かせています。二つの星雲の色の違いは、ガスの成分や、それぞれの星雲を輝かせている星の温度、星と星雲との間の距離などによるものです。
【アノテーション画像】
【大マゼラン雲との位置関係】
無料モニターは、月の出ている時間で切り替え時間を含めて1時間(実質40分程度)なので、月光に強いHOO(Hα 15分 、OIII 33分)にて依頼してみました。わずか48分の露光ですが、さすが2200mmF4の集光力はすごいです。結果を見ると驚くほどOIIIリッチな天体たち(トールのかぶと以上!)ですので、ここまでOIIIを増やさずもう少しHαに充てるべきでした。また構図はもう少し慎重に考えるべきでしたね。画像処理は、蒼月城さんのYouTubeでコメントのあった2XDrizzleをかけた他は、いつも通りの処理をしました。
【合成直前の画像】
私は一応遠征ができる立場で「撮っている」感は必要なので(コストの問題を無視しても)単なるリモートとしては利用したいとは思いませんが、オーストラリアに行ったこともあり、南天の未知の天体の撮影は非常に興味があります。今後安価な下位機種のサービスも計画されているようですので、色々やってみようかなと企んでおります。
(参考:ハッブル宇宙望遠鏡による画像)
✳︎ちなみにこれは2020年ハッブル宇宙望遠鏡30年を祝した記念映像のことです。
動画を追加しました(11/20)
データ
撮影日時:11/15 21:14~(月齢12.6)
露光時間: Hα 180Sx5FR、OIII 180S X 11FR HOO合成
(総露光時間48分)
鏡筒:PLANEWAVE 2249mm F4.4
カメラ: 冷却CCD FLI PL-09000 (3036x3036 センサーサイズ36.6mm□)
赤道儀:PLANEWAVE
画像処理:PI