(MDM:2)
自分の顔ににきびができたくらいで
世界は止まってくれやしない。
いや、実際にきびができたら、正直かなりの大ごとだが、
だからといって「何とそれは一大事!」といって、みんなに立ち止ってもらおうと
思ってしまうのは、未熟な子供の発想だ。
自分にとっての一大事と、世界にとっての一大事はまま違う。
どちらの大事とも、うまく付き合っていくのは、成長するうえで大事なことだ。
かつ、人が成熟していく時間の中では、ときに
「自分のにきびを気にしながらも、世界の大事のためにまい進しなければならない」
そんな両輪だって、回す必要があるからだ。
とはいえ。
決して私のにきびだって、
問題として小さいわけじゃない。
「少なくとも私にとって、これはこの世の一大事!」
そう率直に叫ぶ部分だって、生涯持っているべきだろう。
ましてそれが、顔にできた小さいやつじゃなく…
心や体の奥底にできた、深い苦しみや悲しみゆえの何かだとしたら、
それは決して放っておいてはいけないのだ。
その一大事と向き合い、解決できるのは、世界に私、あなたしかいないのだから。
その問題は、私やあなたが「大丈夫だよ。きっとよくしてあげる」といって
抱き上げてくれるのを待っている。
本当に大きな問題と、あくまで些細な問題とを、取り間違えてはいけないよ。
「私にしかできないこと」をその胸に抱えているのなら、
世界はあなた以外の全員に任せて…
まっすぐにそこに、飛んで行け!