2011年3月の震災の後、
私はほとんど故郷の宮崎に帰るつもりでいましたが、
なかなかその準備は進みません。
迷い、混沌としながら、
重い身体を引きずるように日々を過ごしていました。
大切なことを納得して決断できた私の印象的なフォーカシング体験 前半
この時にフォーカシングのセッションをしました。
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はじめに、不安や怖れ、という感覚がでてきます。
それらを丁寧に探りながら、
言葉にしていきます。
混沌や不安につながるモヤモヤや重たさ、違和感は、
特に胸やのどやお腹あたりにあるようでした。
それらすべてに触れて、
その存在をそのままに認めた後、
私はまた身体全体に意識をもどします。
身体全体の感じ。。。
どっしりと地に足がついて、
私はこの地にいるんだ、と
感じました。
驚くぐらいあっさりと、
身体全体は、ここ(東京)にいていいんだ、
と感じていました。
「ここにいたい」でもなく、
あたりまえのようにここに立っている。
揺るぎない感じ。
さらにじっくりとそれを味わってみたら、
足元の大地は安定感があり、
広々とずっとつづいているようです。
私の身体、足はそれをしっかりと踏みしめています。
「ああ、ここにいて大丈夫なんだ」と、分かりました。
はじめに出てきた混沌や不安はうすまり、
安心感が身体全体に広がっていきます。
でも、まだ胸に重たさがあります。
「やっぱり(宮崎に)帰った方がいい」と、言葉も頭に浮かびます。
この感覚は頭の左側の重たさとつながっているようでした。
この言葉に対して、気持ちが揺らぎますが、
身体全体に意識をもどすと、
どっしりとした安心感がもどります。
こんな考え、出てこなければ迷わなくてラクなのに、
と拒否したい気持ちも感じます。
それも大事にしつつ、
私は、頭の左側に向かって、
そのままに受けとめる気持ちで、
「帰った方がいいって思っているの分かったよ」
と伝えて、そのままじっと感じていると、
その頭の左側は、私に安全でいてほしいんだ、と分かりました。
それで、頭の左側に、
「私に安全でいてほしい、と思っているのが分かったよ」と伝えると、
私の右目から、涙がす~っと流れ落ちてきました。
右目だけです。
不思議な気持ちで、
右目の熱さと、
その涙がつたわる温かみをただ感じていました。
その後、頭の左側と胸にあった重たさがなくなっていました。
身体全体が、ここにいる、という安定感がさらに増しています。
ここではもう決断、というより、
ああ、私はここにいることになっているんだな、
と腑に落ちた、感じです。
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それから、私は、東京で暮らしつづけることにしました。
放射能にもできる配慮はするけれど、
過剰な心配で不安で苦しくなることもなくなりました。
ずっと不安定だった気持ちが落ちつくと、
力も湧いてきます。
そんなに経済的に余裕があるわけでもないけれど、
はじめから条件が悪いと決めつけず、
心地よく私らしい暮らしを創っていくぞ、とまず決めました。
そしたら、素敵なシェアハウスをみつけました。
ここの暮らしは私に合っていて、
のびのびと心地よく楽しい経験をしました。
友達以上家族よりはゆるやかな、
親身な親戚のような仲間もできて、
今もつきあいはつづいています。
フォーカシングのセッションの後、
心が落ちつき、
東京で心地よく暮らし自分らしい生き方をするのだ!と
心を決めて、動きだした時から、
本当にそうなる流れが動きはじめました。
大きく運勢がかわった転換期でした。
今思えば、自分でどう生きたいのか、
ハッキリと意図して動いた、からだと思えます。
その後、ノエル・ティル式心理占星術に出会い、
代々木の第三の眼の講座に毎月通い、
そこから心理占星術研究会に参加しはじめ、
フォーカシングの研究会も定着し、
横浜や国立で、講座やセッションなどをする機会を与えてもらい、
この独特の世界を共有する仲間たちともたくさん出会い、
今の私(本質的な私)をつくる多くのものを手に入れました。
ふりかえって、ふと思ってしまうのは、
震災の後、不安や混沌に揺れながらも、
その根底では、しっかりと足を踏みしめ、ここにいるんだよ、
と伝えてきた身体は、
その先、私が出会い、手にするはずのものを知っていたのかもしれない。
私自身は、頭では予想もしていなかったのですが。
それほどに、あの時の身体の感覚には、
「ここにいるのがあたりまえ」という安心感がありました。
あの日から、およそ7年間、私は東京で暮らし、
昨年の6月に宮崎に帰ってきました。
この時も、ぜんぜん帰ろうとは思っていなかったのに、
家族の病気で、一時帰宅した時に、
ただ素直に、「ああ、今からは宮崎で暮らすんだな」と感じました。
あの時のフォーカシングで、東京にいるんだ大丈夫なんだ、
と腑に落ちた時と同じように、それは揺るぎないあたりまえのような感覚でした。
もうそういうタイミングになっていたんでしょうね。
東京で暮らした7年間にえたものは、
豊かに私の内にいまもあり、
実際のつながりもイキイキとつづき、
今の私は、宮崎も東京・横浜もどっちともつながっているような気持ちがあります。
そして、この7年間で、大きく私自身が変わりました。
変わりたくて苦しかった過去の私のままではなくて、
今の宮崎は懐かしい場所であると同時に、
あたらしい私であたらしい何かがゆっくりと生まれてきている、
新鮮さも感じています。
震災の後に帰らなくてよかった。
あの東京での7年間は、
いわば私の精神の成長のためのプログラムだったのかもしれない。
変われて、本来の私になれて、
捉われていた重さから自由になって、
素直に大事なものを大事だといえる、
今の自分がうれしいから。
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