「おまえ、ほんとうに価値のあるものが、
ただねがうだけで手にはいるなんて、
まじめに信じておるのかね?」






とは、
ファンタジー小説『木の中の魔法使い』(ロイド・アレグザンダー著)のなかで、
魔法使いアルビカンがいうセリフ。

たまたま森で、木の中に閉じこめられていた彼を見つけた娘マロリーは、
彼を助けだし、
自分を不幸な境遇から、魔法で助け出してくれるのではないかと大期待なのですが……


実はこのアルビカン、あまりにも長い間木の中に閉じ込められていたために、魔法が使えない。

うっすらと魔法を思い出して使っても、
すっとんきょうな変なものに姿をかえてしまい命をねらわれて、
結局マロリーから助けられるはめにおちいってしまうという、困ったおじいさん。


魔法使いのアルビカンは、冒頭のセリフどおり、
おとぎ話に憧れるマロリーをがっかりさせるような遠慮のない言葉で、
しじゅう、おとぎ話や魔法への依存をぶったぎります。






わたしは、ファンタジーが好きです。
単純におもしろいってこともありますし、

目には見えないこの世のしくみを、
理論的な証明にこだわらずに、
説明しやすい媒体でもあるんじゃないかなぁと思っています。



このまえ、タロットについて書いたら、
この本を思い出したので、記事にしてみました。

(ここからはネタバレにもなってしまうので、
もし、この本を読んでみようという方は、お気をつけください)



アルビカンは、下働きで我慢ばかりしていて
横暴な主人にさからえず
魔法の力にでも頼らないと人生を変えられない、
と失望している弱気なマロリーに次のようにいいます。



「ほんとうになにかをしたいと思うなら、
おまえには、すでに、どんなことでもしてのける力がある」

「でも、あなた、魔法は役に立たないっていったばかりでしょ」
とマロリーは文句をいいました。

「役に立たないのは『魔法』といったのだ、『力』とはいわなかった」
とアルビカンはまちがいを指摘しました。

「力という点では、
おまえたち人間はもっともえらい魔法使いとまったく変わらない力を持っている。

ただ、それが発揮される形はちがう。


そして、ほとんどの場合、
人間というものは自分たちが力を持っていることに気づきもしない。

幸運をねがうのに夢中なあまり、自分で幸運をみつけるひまがない。」






口も態度も悪いけれど 笑
アルビカンがマロリーにおくるメッセージはとてもあたたかく、
わたしには真実だと思えます。

これは、作者が人々におくるメッセージでもあるんでしょうね。



自分が無力だと勘違いして我慢して生きるのはやめなさい。

そんな思いこみはぶちこわして、自分の望んだ人生を創りなさい。

力の発揮される形はちがうけれども、

あんたたち人間には、
望みを実現させるには、
魔法使いと変わらない力が備わっているんだから。





結局、マロリーは、
知恵をしぼり、身体をはって、人の手もかりながら大奮闘。

悪党から村を守り、ヘマをして命を狙われた頼りなさすぎるアルビカンを救い、

物語のはじめに魔法で手に入れたいと願った富と名誉まで、結果的に手に入れる。
(事件にまきこまれて必死に切り抜けている間にすっかり忘れてはいたのだけれど)



最後の最後で奇蹟のように魔法がおこりはするのですが、
それはおまけのようなもので、実際にものごとを動かしたのは、
マロリーの本気の実践力です。

本気で動いているときに、偶然のような助けもタイミングよくやってくる。



自分にあわないムリな努力や我慢をするのは本来の道ではなく、
(愛と調和にもとづいて)本当に望むもののために、
知恵も行動も、人の手助けもいろいろ駆使して、
なにかを手に入れたり、達成したり、するのは、
この地上の楽しみ方のひとつなんだろうなぁ、と思います。


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