随分昔ですが、30歳の頃って仕事も若干キャリアを積んで苦しい場面が少なくなったし、職場を通して休日も遊べる仲間が生まれるため、名古屋で生活をしていた頃は独身を楽しんでいました。
そんな仲間の一人から「友人(大手旅行会社)が主催する婚活バスツアーで男性が足りないので付き合いで出ることになったけど、それでも足りないから来て」というお願いがあり、快諾し気の合う3人で出かけたことがありました。
今回は友人らもいる中で頑張って彼女を作ろうという気合は持たず、のちの反省会で飲もうね!程度に構えておりました。
あの頃(2010年頃)はまだ婚活イベントは暗中模索の時代。
添乗員さんは旅行のプロですが縁結びのプロではないので、バス車内はまるでお通夜…。道中の無言が痛々しい程です。
暗い雰囲気を打破すべく、自己紹介でガイドマイクが自分に回ってきた時、ウケを狙って…
「6月生まれのかに座です。かに座の言われは同じ海の隣人だったヒュドラがヘラクレスにやられそうになったので助けに入ったけど、一撃でやられたという弱いくせに仲間想いの情け深さがあります。僕も優しいやつなのでどうぞよろしくー」とウザいことを言ったなーって思い出せます(^^;
僕がついた席の隣の男性が誰に対しても無口で、とても内向的な人に見えたので、ほぐすつもりで道中雑談をしながら女性との会話のチャンスになると彼を混ぜながら間を持たそうとしていました。これぞかに座の情け深さか?
『無欲は無敵』
ってことわざを作りたいくらい他人の前で緊張もしないし、その場その場の言動の反省もしないのでのびのびできたなぁって感じておりました。
しかししばらくすると彼は、僕が誘われた仲間達と立ち寄り先で動く時以外は常に後ろについてきます。トイレもだったかなぁ…。何げない会話でもあれば気にもならないのですが、何も言う事もなくただ後ろをついてくるので、変だなぁと薄々感じるようになり、こちらから話しかける話題も底をついたし、他の人にも話してごらんよと勧めても改善がなく、だんだん言葉をかけることもためらうようになってしまい…。
彼にはこの場で異性と向き合えるよう頑張って欲しいと思って声をかけていたのですが、僕にべっとりで頼る結果になり、彼を気にかけすぎたのが仇となったのかなと感じます。
しまいにはこのまま家までついてこられては困るという結論に至り、仲間内にこのことを告げ、のちの合流を約束し、下車早々に名古屋の街に溶け込むように逃げ去りました。
しばらくの間雲隠れし、3人で合流後の反省会で食べた味仙台湾ラーメンが、チクチクの胃に染み渡ったなぁ…。
都会には…いろんな人がいるってこと
人前では…出過ぎた真似はしないこと
色々と学びました。
それから数年後、地元に戻って婚活イベントに出ますが、同じように男性にも女性にも無言の参加者がいて、ローテーションスピーチになった時、無言の女性は僕の質問には答えてくれるので、あとは一方的に伝えるような1分間でしたが、僕の後ろの無言の男性に変わったら、お互い無言の1分間だったので、そっちが気になって、目前の女性がどんな方で、どんな会話かも思い出せません。
”変わらなきゃ”と一念発起で参加したんだろうなと想像すると、助けてあげたい気持ちは湧くのですが…。
失敗から教訓を得た「かに座」は、何もしてあげられず巣穴にすごすごと帰る無様な行動しかできませんでした(T_T
価値観が大幅に増えた現代、結構な人が異性との付き合い方に悩んでいるので、共に生きることがスケールメリットというのも味気ないのですが、恋愛とは違った共同生活の同志という価値観がメジャーになれば成婚率はあがるのだろうなって感じています。