国内時計に目を移してみてしばらく経つと少し幅が広く見渡せるようになれた気がします。
当初はセイコーMOD(カスタム)でロレックス風時計を作る目的で5万円までのグレードの時計を購入しました。
安いなぁと思っていましたが、さらにその価格よりも安い時計(セイコーファイブ)を発掘し、低価格で楽しめるという面白さから国産自動巻き時計を探すようになりました。
主に国内では3強と呼ばれる時計メーカーがあり、セイコー、シチズン、カシオはやはりそれぞれの持ち味があり
シチズン
世界初の多方向電波時計メーカー。世界初のソーラー電池時計メーカーという革命的な技術力を持ち、「よいものを安く」はその名前のごとく”市民”のための時計造りを目指している会社。高級路線にはザ・シチズンがある。
ものづくりの心意気と技術力に加えてデザイン性も日本人好みで、最も素敵だと僕は思う企業。
セイコー
世界初のクオーツ時計メーカー(といってもクオーツメカニズムを作ったのは現セイコーエプソン社)で、クオーツショックは時計史では語り草となる有名な話。スイス勢など黒船メーカーに立ち向かえる日本の巨大時計企業。価格帯は数千円から百万円まで存在し、高級路線はグランドセイコーがある。クロノ24で発表された「2021年世界販売本数ランキング」では第三位に入る偉業を成し遂げた。
カシオ
計算機から始まり、デジタル時計、楽器、デジカメや携帯電話まで作っていたというデジタル機器にめっぽう強いスペシャル企業で、古い世代(40代以上)にはわかってもらえると思うけど、「デジタル~はカ・シ・オ♪」というCMはインパクトが強かった。Gショックは世界一耐久力のある時計としてギネス認定もされている。さらにはチープカシオ(チプカシ)という安くて性能が優れた時計としてブームも起こした。
企業名は創業者の樫尾さんからもじられたもの。
決して後れを取っているとは思えない優れた技術力、デザイン性、価格帯なのですが、認知度だけが後れを取ってしまったのがオリエントな気がします。
オリエントを検索してみると、マイナスな検索ワードが引っかかってきます。
なので、そんなことはない!という点を掘り起こしていきます。
オリエント
1951年の誕生以来、機械式時計の製造を続けている会社で、先で触れたクオーツショックも乗り越えた強さがあったが、バブル崩壊後に倒産してしまったメーカーです。
倒産前のデザインもどことなく個性的で、まさに社名の通り東洋風な珍しさを感じます。
万年カレンダーと呼ばれる(指定した年を設定すれば、そこからの日付合わせが不要という卓上カレンダーが時計に組み込まれたような)時計を筆頭に、面白さ抜群なシリーズもあり、現在はセイコーエプソンのもとでブランド展開しています。
国内では早くからスケルトン時計(2003年セミスケルトン時計)の販売を行っており、そこから見える時計の世界感は、機械部品ひとつひとつの美しさと小さな部品が生み出す大きな躍動をうまく表現しており、日本のプレゲと言ってもいい(主観)。
上位グレードはオリエントスターで、随所に遊び心を感じるデザインがありながらも、国産マニュファクチュールなのに高いモデルでも20万円台という驚異的なコスパを実現し、時計マニアにも一目置かれるメーカーであります。
(ここからは個人的見識)
セイコーの兄弟会社だが、”GSに人気デザインやサイズを集中する”とか、”今まで安かった時計をむりやり高級機に格上げする”スタンスではなく、デザインも性能もいいものを普通にオリエントまたはオリエントスターで手ごろな価格で提供する正統派メーカーだと思うのです。質実剛健なイメージがあり、一度倒れてしまったメーカーなのだから少しはもうけを考えていい時計なりの高い価格でも出してもいいんじゃないのか?と心配すら感じてしまいます。
オリエントスターの場合だと、機械もセイコーの10万円クラス搭載の6Rムーブメントと同等の性能がありながら(実売価格帯で)4万円程で購入できます。
検索すれば安い、ダサいなどのワードも出てきますが、”高いものは素晴らしい”というブランドパワーに影響されている方々の意見だと考えます。値段が100倍違う時計たちとの比較にはなりませんが、この価格帯での性能はダントツです。
マイナスイメージを含む外野の意見で、オリエント時計の足を引っ張るマネはしないでほしいし、純粋に同じ国に住む人として誇らしく思いたい。
4月を迎えるにあたり新しく社会人アイテムをそろえたりする岐路に立つ人や、これから自動巻きを持ちたい人には絶対にお勧めしたいのがオリエントです。
スイス時計に疲れた方も癒されると思います(^^