復路は往路と同じ、ガルーダのビジネスクラスを利用したのですが、その時に,息子の隣の席に座っていた30代後半ぐらいの女性。私が画面上で見た限り息子の隣は空席だったので、あれ、人居たんだ。ぐらいに思っていたんです。
ビジネスシートは、つなぎの2席が2つ✖️4列の合計16席。
そして、息子が隣に座るなり、ハッと立ち上がり、彼女があからさまに慌て初めました。そして、息子を跨いで、彼女は一つ前の席に移動しました。
だから、あー。おそらく席間違えたんだなぁ。ぐらいに私は思っていたのです。
そしたら、バリ島に着くなり,いきなり彼女が、日本語で演説のように、出口が開くのを立って待つみんなに、話し始めたんです。
私は,今回また海外に来てしまいました。
でも、本当は日本から出てはいけない身分なんです。それはわかってます。だから皆さんに,今回ご迷惑をかけてしまったこと,本当に申し訳なく、すみません。私がいるせいで、皆さんに不快な思いをさせました。本当にごめんなさい。
私は、もうこれから2度と,日本から出ません。
だから今回だけはどうか許してください。
本当にご迷惑をおかけしました。
前回はなんとか大丈夫でしたが,今回また皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました。それは重々承知しました。ごめんなさい。
深々と頭を下げる彼女に,私はなんだか、物凄くやるせない気持ちになり、涙が溢れてしまった…
いったい、誰が彼女の心を、こんなに壊してしまったのかな。
前の席3人も日本人の家族で、彼女の謝罪に,隣のおじさんが、慌てて、
いえいえ,なんも迷惑かけてないですよー。
と言ってくれていたけれど、もはや彼女には全く聞こえてない…。
私は愕然としてしまった。
彼女は、今まで何人にこうやって頭を下げ続けてきたのかな。
薬を服用しているせいで,こんな感じになってしまっているのかもしれないけれど,明らかに目が泳いでいるし,正気の沙汰じゃない。
ドアが開き,順々に人が降りていく中も,話を続ける彼女。そして、一人ずつに頭を下げて謝罪している。
私は,彼女の方をポンポン叩いて、
大丈夫。あなたは悪くない。
と声をかけた。
彼女は私の顔を見るなり、震えた手で、私の手を両手で握って,またすみません。すみませんと深々とお辞儀をした。
その後も彼女が気になり、私は何度も後ろを振り返った。スチュワーデスが棚から取り出した自分のカバンを渡されても、彼女は放心状態で、それを抱えたままブツブツとお経のように何かを話しながら固まっていた。
私達は、飛行機をおり、荷物のレーンを目指したけれど、その後も彼女は、飛行機から降りて,バックパックのリュックを背負い、空港をブツブツ唱えながら歩き回っていた。
一見なんら普通の人と変わりない風貌をしている故,彼女の拗らせてしまった心を理解するには、至難の業かもしれない。
うちのゲストハウスでも,毎年心の病を抱えた若者が,何人かやってくる。
ここで、なんだ。悩むほどのことじゃなかったんだと克服していく子もいれば、そう易々とうまくいかない人もいる。
難しい世の中になってきたなぁ。
彼女らを,病気だからと日本に閉じ込めておくのも酷だけど、まだ心の病が完治してない人が、海外に出る怖さもある。
気薄な世の中と、他人との関わり合いが皆無になりつつある現代社会で、心の病を抱えた人達は、どこでこの病を克服していく術をみつけていけるんだろうか。薬漬けの生活ではとても難しそうだ。
彼女が,バリで少しでも,自分らしさを取り戻せたら良いなぁ。
所詮、綺麗事を並べても,私だって結局、他人事でしかないのだけれど、凄く考えさせらる出来事でした。
我が家の愛犬モモとミミ
何か食べると,唇みたいになるのがまたかわいい。
バリ島について、愛犬たちの喜ぶ姿を見て,改めて幸せを噛み締める寧々なのでした。
彼女が、バリ島から無事何事もなく,日本に帰れることを祈りたいです。
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