草莽崛起 (The Rising Multitude)
全体の方向を大まかに決めるために論点整理をします。
最大の問題は,「イスラエルの基本的姿勢を変えきれないのはなぜか」ということだと考えます。
現在の社会秩序の枠組みを不動の大前提としてそれ以外の可能性を無視するなら,いわゆる「パワーポリティクス」「リアルポリティクス」に縛れた考え――「G7やG20のような先進国政府が動かない限り解決不可能」――に陥るほかはありません。
しかし, 先進国は、イスラエル政府の「行き過ぎた」行動に抗議はしていますが,イスラエル建国そのものが帝国主義諸国の利権保持の仕掛けだったわけで,根底的にイスラエルを批判できる立場でありません。パレスチナ・アラブ人(ミズラヒムやキリスト教,セキュラリストを含む)を支配することで利益を得ている者同士の搾取や抑圧のやり方をめぐる対立しかありません。その一方に解決をゆだねても搾取や抑圧がなくなることはありません。
資本主義と帝国主義の関係
「傍観」の構造
解決の方向性
とりあえず資料の整理をしようと思います。
さしあたりは分析の枠組みの確立に資するであろう文献を中心にリストアップします。
- 今西 一 ”国内植民地論・序論”『商学討究』(小樽商大) 60.1 (2009): 1-20.
- 林 武 ”イスラエルの経済とその問題”アジア経済 3.5 (1962): 70-81
- 加藤 剛 ”「開発」概念の生成をめぐって”『アジア・アフリカ地域研究』2014 年 13 巻 2 号 p. 112-147
- 木村 正俊 ”国際革命としてのパレスチナ革命”
- 植松 忠博 ”植民地主義の解体はどこまで可能か(1)” 岡山大学経済学会雑誌 10.2 (1978): 51-87.
- 佐藤 千景 ”中東和平とイスラエル経済: 90 年代の発展と 2000 年以降の低迷” 『同志社商学』 第60巻 第5・6号(2009年3月)
- 小杉泰 ”イスラーム世界の動態とグローバル化: 中東・イスラーム地域の再編成とその展望”『京都産業大学世界問題研究所紀要』, 2009, 24: 15-34.
草莽崛起 (The Rising Multitude)
物象化の起点は、やはり社会形成主体としての人格の活動である〈労働〉が持つ「つながりを織りなす振る舞い」という性格が希薄化して、質料変換に一面化したことにあるのだと思います。
資本主義的生産関係では、労働者の活動が「つながりを織りなす振る舞い」としての側面を失い、商品生産の過程で質料変換の機能に還元されていく。この過程が進むことで、社会的関係が物と物の関係として現れ(物象化)、人格的な関わりが覆い隠されてしまいます。「生産関係の物象化」「人格の物象化」がどこで成立するかを考えると、まさにこの「人と人との直接的なつながりの希薄化」が鍵になりそうです。
社会的分業に加え、作業場内分業においても「つながりを織りなすふるまい」は、資本に束ねられることで初めて共同関係に入ることのできるばらばらの労働力商品の担い手たちの関係となっているので、直接的な人格的関係と別のものに置き換えられています。
「つながりを織りなすふるまい」が、資本による編制を通じて初めて成り立つという点が重要です。つまり、個々の労働者が自律的に関係を形成するのではなく、資本の指揮のもとでのみ協働が成立する。ここでの「共同関係」は、人格的な関係ではなく、あくまで資本の論理によって媒介された関係として現れます。
作業場内分業においても、各労働者の活動は他者のそれと結びついてはいるものの、この結びつきは彼ら自身の主体的な「つながりを織りなすふるまい」によるものではなく、資本が編制した機能的な役割分担としてのつながりです。結びつきのあり方は〈自己増殖する価値(=資本)〉の自身を増殖させるという目的に適合させられます。その結果、労働者同士の関係は直接的な人格的関係ではなく、資本という媒介を通じた物象的な関係に変質しているのです。
草莽崛起 (The Rising Multitude)