なんで共産国家ほど資本主義的で、資本主義国家ほど社会主義的なんですか? | 草莽崛起~阿蘇地☆曳人(あそち☆えいと)のブログ

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なんで共産国家ほど資本主義的で、資本主義国家ほど社会主義的なんですか?
 
どちらも資本主義です。
 
両者の違いは,資本主義としての発展段階の違いに拠ります。
 
先進資本主義国は,国家統制優位の本源的蓄積期(重商主義時代)→レッセフェールの夜警国家時代→労働問題,貧困問題への対処が必要となった結果としての福祉国家→財源問題,グローバル化への対応としてのネオリベ時代(今日の事態)へと至っています。
 
ネオリベ政策は,福祉の縮小再編ではありますが,完全撤廃は望んでも不可能です。なぜなら,労働する諸個人の貧困化という根本問題は,資本主義においてはなくなることがあり得ず,この問題への対応として福祉政策は残さざるをないからです。
 
そのため,国家介入の後退,縮小は限定されたものにとどまり,「社会主義的」なものが残ることになります。
 
 
これに対して,いわゆる「共産国」は,特殊な本源的蓄積体制である<国家資本主義>から,レッセフェール段階への移行期にあります。本源的蓄積における国家の統制・介入は,幼稚産業保護とか資源や労働力の強制的集中投下とかのために必要なものですが,自国産業が安定してくれば不要どころか邪魔になりますから,基本的に完全撤廃が志向されます。そのため,その自由化は先進諸国より徹底したものに見えるのです。
 
 
このように両者の差異は,発展段階の違い拠るものであり,同じく経済への国家介入といってもその必要となる理由が異なるため,これに対する縮小・撤廃の度合いも違ってくるということなのです。