アパートローンの返済期間を「短い」か「長い」か、自己資金を「少なく」か「多く」かではそれぞれメリットとデメリットがあり一概にどっちが正しいということはございません。投資家の置かれているポートフォリオ環境や収入状況によりその判断が分かれます。
仮に1億円(表面7%)で諸費用700万の物件を購入する場合、ファイナンス条件を2パターン比べてみると…
O銀行の場合:自己資金700万、借入1億円、返済期間35年、金利2.3%
R銀行の場合:自己資金2200万、借入8500万、返済期間22年、金利1.3%
O銀行=年額税引前CF155万
CCR22%、DCR1.37
R銀行=年額税引前CF127万
CCR5.8%、DCR1.29
この違いだけを見ると少ない自己資金で期間長く取組めたO銀行の方が投資としてメリットがありそうですが10年間というスパンで出口売却まで考慮すると、、仮に表面7.5%で10年後に売却できたと想定しその期間運営中と売却手取額のCF累計額を比較するとこうなります。
O銀行:自己資金700万出して→累計手取額1558万円だから、差額+858万
R銀行:自己資金2200万出して→累計手取額4764万円だから差額+2564万
(返済年数が短いということは残債の減りが早いので売却手取額増えます)
つまりこうです。R銀行の場合にはO銀行と比べ自己資金1500万余分に必要ですが10年後の手取額では2564-858=1706万多くなったということが分かります。当初入口の1500万を使わずそのまま銀行預金の低金利に預けて置くのであれば、余計に1500万を多く入れておいたほうが1706万増えたということです。逆にその1500万円を他の投資に回し1706万円以上に運用できる投資家であればO銀行で取組んだほうが良かったということが分かります。
しかし投入した自己資金の貨幣の時間的価値を表したIRR数値では少ない自己資金の方が当然に良い結果となりますが、不動産投資は地味にコツコツ長期運用が一般的なので前途のような累計額も考慮し比較することも重要です。
家賃収入をあてにせず本業収入で生活ができるような方、家賃から得られる収入を再投資先がなく預金に回される方、自己資金投入額に余裕がある方、銀行預金以外に主な運用先がない方、複数棟買い増しして行きたい方(残債が早く減るのでBS上よくなる)には、、むしろ返済期間を短くして自己資金を多く投入したほうが良いということも考えられます。
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