asphaltive boiled noise
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開放弦・上弦

「寒いから窓を開けるよ?」

「もっと寒いよ?」

「病は気から?」

「ビールをもっとお飲みよ!」

「冷えるからイヤだ!」

「生姜をかじればいいさ!」

「ピリってしない?」

「口元の静電気?」

「瞼は小刻みに弧刻む!」

「空間に!」

「もうそろそろ窓を閉める時間だよ?」

「まだ開けてたの?」

「明けてく空だよ!」

「うっすらと月!!」


画鋲渋滞

「どこでもいいから外に出たい!」

「玄関先は?花が咲き乱れているよ!」

「そんな気分じゃないし!」

「じゃあ竜を首に巻いてみたら?」

「そんなのファッションじゃないし!」

「パッションではあるよ?」

「角砂糖を口に入れて、ゆっくりと溶かして」

「のどに沁み込む甘さ!」

「気球にも乗ってみたら?わくわくするような!」

「ガソリンの香りが!」

「膨らむのはビロードの織物!」

「手にするのは三角の瓶!」

「あちらこちらから集まってくる流線形!」

「指先に集中して、気は確かか!?」


水溶性でも目に毒

「戸棚から夢を出してよ」

「でも、サーモンはスープにしたほうが…」

「夢をまぶしてフライにするの!!」

「でも、付け合せはマッシュポテトにしたほうが…」

「マッシュをつけるよ?」

「なあんだ!だったら夢を出しますよ!」

「チーズも出してよ?」

「え、チーズもまぶすんですか?」

「チーズはね、食後のデザート」

「デザるつもり!?」

「デザるさ!!ここはデザインの楽園!!」

「そんなに楽じゃないし!!」

「薬も戸棚から出してよ?」

「なあんだ!!でもカプセルはイヤだ!!」


目の前の錯覚

「空気の乾燥?」

「そうですね、最近は眠かったといえば眠かったですね」

「冬だから?」

「肩が凝って!!」

「ご苦労なことです!」

「あれ、それ去年の空想?」

「や、今年の瞑想ですよ?」

「…お雑煮もまだなのに?」

「お雑煮は食べましたよ!」

「でも、煮てはないんでしょ?」

「煮たことは…今までありません」

「52年も生きてきて!?」

「そんなに生きてません!」

「間で寝てたっけ?」


リュウセンノ復活

「寒い時に感じる法則は?」

「空気の湿潤・鳳仙花の不快?」

「出口にたどり着く前に見る夢は?」

「勝手な芳香・刺すような視界?」

「あ、サンドウィッチをどうする気?」

「食べるのさ、気にも留めず」

「道路の向こう側は崖だよ?」

「それも賭けさ」

「老朽化した内臓を抱えて?」

「それも運命だとは?」

「思えないし思いたくない!!」

「急流に飛び込みたい!!」

「かねてからの革命!!」

「廃墟に陣取り陽で目を焼く!!」


手掛かりをガブリ

「付箋を貼り付けるのは誰?」

「みんなさ」

「みんなってほど付箋がついてないんだけど?」

「まあ、3人くらいだから?」

「…質問を変えるわ、みんなはどうして」

「おっと、それ以上は言わないほうが身の為だぜ?」

「…誰の身?」

「みんなさ」

「…どうして私自身に付箋を貼るの?」

「気にかけたいから?」

「…もっと他にやり方があるんじゃない?」

「じゃあ教えてよ、みんなに」

「私が?」

「みんなさ!」


クロッキーな風景

「赤毛にしたいんだけど」

「それは理想?それとも空想?」

「どっちでもいいから早くして!」

「空想だと早いんじゃない?」

「じゃあ理想でしてよ」

「理想の赤毛か…雲を掴むような話」

「じゃあ空想でいいから!早く!」

「なぜそんなに急ぐのさ?」

「空気感が大切だから!」

「エアリー?」

「モンゴメリ!そしてアン・シャーリー!」

「ミザリー?あるいは、シャーリー・マンソン?」

「早く赤毛にして!」

「夢見るように空想して!」


物が要らないっていう幸福

「散歩ってどのくらいする?」

「気が済むまで?」

「明日まで?」

「何それ?寿命?」

「歩き疲れて天命を全う?」

「賄い付きのバイト?」

「フルーツサラドが良いな」

「フルーツサンドも良いよ?」

「サンドはカツでしょ!」

「旅行のお供!」

「なんていうかあの、こじんまりとした!」

「ちょこんと感!」

「場所を取らない!」

「お腹の中でも!」


赤茶けていて、それでいて群青

「レンガには触れないでください」

「でもこれレンガじゃないでしょ?」

「え、そんなはずは…」

「残念!正解はファスナーでした!」

「ファスナーってことはないでしょ?」

「え、でもファスナーだよ?」

「もしかして、生地を噛んじゃったほうの?」

「そうそう、噛んだほうの!」

「その場合レンガは噛めないでしょ?」

「そんなに丈夫じゃないと?」

「まあ、そんなところですね…」

「残念!正解は噛み切れます!」

「え、砂漠でも!?」

「砂漠!?」


振り返るその態度

「理解できないものに出会ったらどうする?」

「見なかったことにする!」

「バファリンを飲む!」

「アルコールを飲む!」

「息を呑む!」

「はっとする!」

「暖かい毛布に包まる!」

「ほっとする!」

「ココアも飲んでみる!」

「すごく、ほっとする!」

「薪のはぜる音を聞く!」

「すっごく、ほっとする!」

「だんだんと空が明るくなってくる!」

「なんだか涙が出そうになるよ!」


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