asphaltive boiled noise -2ページ目

思いついたら雪山

「塊のパンくださいな」

「え、どれ?」

「そこの、ちょっと赤黒いもの」

「あ、隠し扉?そっち開けちゃう?」

「え、じゃあそっちの…」

「ついでに、水路も通っちゃう?」

「セットでいくらですか?」

「うん、普段は300円なんだけどね…」

「ここはひとつ、決算大特価で!」

「300円とフルーツでいいよ!」

「え、フルーツおまけにくれるの?」

「や、300円とフルーツをお支払いだよ?」

「え、安くなって、ない?」

「あ、そんな気分じゃ、ない?」


駆け回ってスタート

「隠れ家には午後9時以降の集合でお願いしマース」

「はい、先生!」

「何ですかヴェリントン?」

「え、あんたじゃないよ?」

「え、他に先生が?」

「あと25人くらいいるよ?」

「?ここどこ?」

「宇宙船・パシフィックオーシャンさ!」

「え、あなた生徒?」

「船長と、あ、艦長とでも呼んでくれたまえ」

「たまえ?あなた、たまえなの!?」

「もしかして、3年前に失踪した誰か!?」

「誰か分からないんだ…」

「あと、疾走もしてたでしょ?」


地球上で最もハガユイ

「蜃気楼は今どの辺?」

「たぶんアラスカ辺りなんじゃない?」

「根拠は?」

「廃墟?」

「動物を飼ったことないんでしょ?」

「ないけど…見たことならあるよ?」

「根拠は?」

「転居?」

「…殺虫剤を使ったことないでしょ?」

「なんで?なんで今笑いをかみ殺したの?」

「殺生はしませんよ?」

「今したやん!!」

「これは…蜃気楼みたいなものだから」

「じゃあアラスカやん!!」


洗濯する海産物

「ベランダにいたんでしょ?」

「いないよ?家ベランダないもん」

「ないものはないと?」

「ないものはないさ!」

「作ったって可能性は?」

「作れないよ?そんな技術ないもん」

「そんなって?どんな?」

「プリマ・どんな?」

「ハムを食べるんでしょ?」

「食べないよ?そんな嗜好ないもん」

「鉄分の不足は?」

「困るよ!そんな持病ないもん!」

「刻限の接近は?」

「カヌーで、ゆったりと回避!」


一味じゃないとムリ

「土鍋は必要?」

「要らないでしょ?火薬で代用!」

「え、そんな?そんな感じだっけ?」

「え、そうでしょ?そうじゃなかった?」

「はは、何だかすごい曖昧な感じだよね」

「ね~、曖昧って漢字書けないし!」

「え、かけないの?うどんに一味?」

「や、かけるでしょ?そこはかけるでしょ?」

「じゃあ書けるんやん!」

「でも、ちょっと曖昧なんよ!」

「なんよって、じゃあたまに七味とか?」

「や、それはない!絶対にない!」

「じゃあとりあえず、うどん食べよっか?」

「一味持参で!!」


格好の住処

「はがきには郵便番号だけでいいですよ~」

「え、なんで?」

「だって、届かなくていいから?」

「届かなくていいの!?」

「そそ、届かなくて、いいから?」

「ちょっと、そう言って楽しんでるだけじゃないの?」

「ははは、ばれましたか?」

「ちょっと、なんで疑問形なん?」

「そういうあなただって?」

「ゆっくりと動く雲?」

「太陽の表面?」

「快適な空間?」

「うどんは食べようか?」

「食らおう食らおう!!」


クイーン・アンド・ビーツ

「ありとあらゆる鉛筆の芯!」

「尖らせてよ!切先の流線形!」

「背後にたゆたう天の川!」

「泳げるほど温かくない!」

「鉛筆の芯は?」

「研げば研ぐほど短くなって」

「消費するほどどうなるん?」

「字を覚えたり」

「芽を出したり」

「夢を見たり」

「ビタミン剤を消費したり」

「浪費したり」

「したり顔で」

「夢見がちに」


まだまだ寒くて

「なんか寒くない?」

「そりゃ寒いさ、室温は3℃」

「なんで?春だよ?」

「北国の春さ!!」

「や、ここ南国だよ!?」

「じゃあ南国ってことにします…」

「なんでそんな無理矢理言わされたみたいに!」

「そんなに騒ぐほどのこと?」

「騒いでないと寒いんだよ!」

「さっきまで丸まってたのに?」

「それも寒さ対策!」

「じゃあずっと寒かったんだ?」

「寒いよ!今もずっと寒いよ!」

「たぶんこれからもずっと寒いよ?」


先天的に不愉快

「厄介な問題だね」

「そお?サクサクなんじゃない?」

「でも、この間はべちゃべちゃだったじゃないか」

「ふふん、粉を変えたのよ!」

「え、もしかして今話題の!?」

「え、話題なの?主役を差し置いて!?」

「…誰が主役なの?」

「あ、えっと、これは守秘義務に引っかかるわね」

「かからないよ、きっと」

「何が分かるっていうの!?」

「ペパーミントのの花言葉?」

「え、何それ?」

「あ、うろ覚え?」

「思い出し笑いじゃなくて?」


引ききった頃が放し頃

「ビタミン剤は飲んだ?」

「昨日の?飲まなかったよ?」

「なんで飲まないのさ!」

「だって、溶けてたよ?」

「え、粉末が?」

「や、粉末は粉末のままだったけど、カプセルが」

「カプセルが溶けてたの!?」

「うん、袋の中で、ぐにゃって」

「漏れたの?ねえ漏れたの!?」

「や、それは何とも…」

「新しい剤をもらわなきゃ!」

「うん、まあそうなんだけど…」

「何?何か気にかかるの?」

「新しい剤って…新しい!」