近頃の環境
「ねえ知ってた?」
「知ってるも何も、そんなところには行ったことないやん!」
「え、何?何の話?」
「あ、違う話?ごめんごめん」
「え、行ったことないところってどこ?」
「うーん、ところどころ、なんじゃない?」
「意外とあんなところかもよ?」
「うーん、このところかもしれないね」
「え、このところ寝付けない日が続くの?」
「え、何?寝違えたの?」
「あ、違う。寝る日を間違えたんじゃない?」
「え、寝ない日もあるの?」
「寝ないかも、知れないところ?」
「知れないなら寝てるかも?」
外気が冷めるから
「ギターとか弾けるんでしょ?」
「うーん、感覚で弾いてみるよ」
「トランプを引くように弾いてみて」
「コロッケを揚げる様に弾いてみるよ」
「トランプ!」
「コロッケ!揚げたての!」
「お腹が空いたかも!」
「うどんでも食べようか?」
「あ、コロッケうどん!」
「トランプうどん!」
「それどんなん?」
「トッピングはトランプのカード次第!」
「振り向き様に感覚の直感!」
「閃き様の犯行!!」
お金って必要な時にないけど
「わくわくするってこういうことを言うんですね~」
「え、どういうこと?」
「この、細い糸の上を歩くような?」
「それはドキドキでしょ?」
「息苦しい、心臓が苦しいような?」
「それは動悸動悸でしょ?」
「鋭利じゃない、よく分からない形のような?」
「それは鈍器鈍器でしょ?」
「よく分からないの!?」
「それはあなたでしょ?」
「でもあなたもわくわくしてるんでしょ?」
「まあね、私のわくわくはその辺じゃ売ってないからね!」
「ふーん、でも買えるような物なんだ」
「値段がつくって時点で大したものじゃないか~」
一緒に住んでるとは限らないけど
「この辺はどの辺なんですか?」
「…あなたの家に行ってるのよね、今」
「そうなんですけど、私地理に疎くて」
「でも、家の近くなのよねえ?」
「そうだけど、それとこれとは別でしょ?」
「…で、家にはもう着くの?」
「いや、だから地理に疎くて」
「それ言えば全て何とかなると思ってるでしょ?」
「そんなことはないですよ?」
「じゃあ家にはいつ着くの?」
「明後日の晩?」
「ふーん、じゃあ私招くわ」
「え、新展開?」
「あなたの双子の姉を、よ」
8階以上はムリ
「ビルの調子が悪いそうですね?」
「そうなんですよ、さっきから何も食べないし」
「食べない?」
「呼んでも返事をしないし」
「返事をしない?」
「淀んだ水をそのままにしてるし」
「してるし?」
「何繰り返してるんですか!ビルを助けて!」
「あげて!!」
「え、どうしましょ」
「だからビルを助けてあげて!」
「それあなたの働きでしょ!?」
「事情が変わったの!助けてあげて!」
「出来るんなら呼ばんわ!」
回復するまでの過程
「常夏だな、この辺は」
「最近はそうでもありませんよ?」
「というと?」
「あまり蛇腹が歩き回りません」
「前は頻繁に!?」
「陸続きになります」
「前はめったに!?」
「空気が乾燥します」
「前はジメジメ!?」
「はしゃぎ回る子供たちが」
「子供たちが?どうなの?」
「床を走り回って…」
「回転する夕日の残響…」
「まあ暑い日は暑いですね」
薬はベランダで
「足元から芽生える進化の兆し!」
「そんなの摘んだらええやん」
「詰むやん!」
「ははって笑えばええやん」
「最近思うんです、ビフテキって素敵な略語だなって」
「それはね、刷り込みだよ」
「やっぱり!?私もそう思ってたんです!」
「でも今は違うと?」
「そんなこと言ってないやん!」
「言わなくても分かるんだよ、や、たぶん」
「なんで急に曖昧に?」
「急じゃないよ、流だよ」
「そんなスタイル、ビル風にも強い!」
「ビル風邪に効く薬を処方して!!」
話しながら進歩
「具体的にはどういうことなんですか?」
「私にも分からないんだけど…」
「え?ってことは、そんなに深刻でもない?」
「そんな風にも考えられるかも…」
「はっきりしないってことは分かってるんですね?」
「や、はっきりするかもしれないし…」
「じゃあはっきりしなよ」
「断る!」
「はっきりしてる!」
「ふふん、まあね!」
「じゃあ具体的には?」
「だからそれは分からないって!」
「?さっきよりはっきりしてきてない?」
「これ繰り返してたらはっきりするんじゃない?」
春先は鋭く
「瓶詰めの感覚は?」
「さっき誰か持って行ってたよ?」
「どこに?」
「リタの住むところ?」
「ガラス細工の彩り?」
「あるいは、格子模様?」
「子牛?」
「肉食の、獰猛な?」
「あるいは、雑食の?」
「火花の中で?」
「瓶が割れる音が!」
「弾けるように、中身が!」
「三角形の、空気の」
「朝靄!!」
浮遊する春の両眼
「片栗粉は用意できた?」
「まだです、てか両手がふさがってます!」
「開けばいいじゃない?」
「いいですけど、色々落ちますよ?」
「!?縁起でもない!!」
「じゃあ、浮かしてみますか?」
「それもそうね、てか溶かしてみたら?」
「酸か何かで?」
「そこはジャッキでしょ?」
「ジョッキでもいいんじゃないですか?」
「廃棄してもいいかも」
「急流に流しますか!」
「縁起でもない!!」
「さっきより楽しそうですよ?」