腰痛に対する考え方の変化 | あそびゴコロ鍼灸整骨院 公式ブログ

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皆さんこんにちは!

 

あそびゴコロ鍼灸整骨院の浜田です。

 

今日は、ここ20年での腰痛に対する考え方の変化についてお伝えしていこうと思います。

 

従来は腰痛の原因は椎間板の損傷や骨折など、脊柱の障害にあるとされてきました。

そのため、画像検査を中心に検査を行い、脊柱に異常がないかを確認して治療方法を決定していました。

 

しかし、1995年に、Boosという方が興味深い報告を発表します。

腰痛を訴える方と訴えない方に対してMRI検査を実施しました。

すると、腰痛を訴える方には椎間板ヘルニアの画像所見が見られました。

そしてなんと、腰痛を訴えない方の76%にも、椎間板の画像所見が見られました。

さらに、椎間板ヘルニアで腰痛を訴える方と、椎間板ヘルニアで腰痛を訴えない方の違いを調べたところ、

腰痛を訴える方には、仕事上のストレスや不安、抑うつなどが見られることがわかりました。

 

 

この報告を皮切りに、腰痛と画像上の形態異常とは一致しない可能性があること、

そして腰痛には脊柱異常に加えて、心理的・社会的因子が関与している可能性があるとに注目が集まりました。

 

特に心理的・社会的因子と腰痛との関係について研究が進みました。

「仕事中のストレスは、脊柱の負担と損傷のリスクを高める」とする報告や、「抑うつは、腰部脊柱管狭窄症の手術成功成績に影響を及ぼす」とする報告が発表され、次第に心理的・社会的因子が腰痛の増悪と遷延化に大きく影響する事が明らかになってきました。

 

 

 

同時に「痛み」に対する考え方も見直されてきています。

1994年、国際疼痛学会(IASP)は痛みを「実際に組織損傷を伴った、またはそのような損傷があるように表現された不快な感覚および情動体験」と定義しました。

この定義は、2つの点において注目すべきです。

1つは、「痛みは感覚か、情動か」という問いに対して、両方とも痛みとした点です。

もう一つは、組織損傷が存在しなくても痛みを訴える場合、それは痛みであるとした点です。

 

こうして腰痛は、従来の「脊柱の障害」から、脊柱の障害に加え心理的・社会的因子など多因子が複雑に影響し合う「生物・心理・社会的疼痛症候群」へ、従来の客観性重視の検査から主観性重視の検査へ考え方が変わってきています。

 

 

また、腰痛は主観的であり人それぞれ治療の選択が異なるものであることから、従来の患者が受け身の医療ではなく、患者自身が治療方針の決定や治療を積極的に参加する「攻めの医療」が重要と考えられています。

 

ここ20年で大きく考え方や治療も変わってきました。

これからもいろいろな研究が進められて、さらにわかってくることもこれからあることでしょう。

様々な状況や環境などを考慮して、治療をする側も受ける側も治療に対して向き合っていく事が求められていますね!

 

お読みいただきありがとうございました。

 

それでは、良き週末をお過ごしくださいませ(^^)/