荒れている子ほど受け入れていく | はらくんのブログ

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あそび歌作家・シンガーソングライター・アレンジャー(編曲・伴奏作り)・シアターや絵本制作など、いろいろやっている元保育士です^^

僕は元保育士なのですが、現役時代何かのお話で、こんなことを聞きました。


「子どもが荒れているのは、『僕って必要な子なの?』と言って荒れているのだ」


……少し補足説明。

保育園にはときどき、いわゆる荒れている子、困った子と言われてしまう子がいます。座って話が聞けない、部屋を出て行ってしまう、友達に嫌なことをする、友達を叩いてしまう、暴れる、言葉遣いが非常に乱暴……。


そうしたいわゆる「荒れている子」は、原因なしに荒れているのではない。(すべてがそうというわけではないかもしれませんが)基本的に家で自分の居場所がないというか、自分が親に必要とされている、大事にされているという実感が持てていないから、保育園で荒れてしまうのだ、ということです。



以上のことを踏まえて、次の文章をお読みください。


私最近、こんな話を耳にしてしまいました。


「うちの子(保育園に通う幼児さん)、先生のマネ~といって、『いうこと聞けない子は、廊下に立ってなさい!』っていうの」


……ちょっとうなってしまった私。それ、やっちゃだめなんですよ。


最初に、「荒れている子は必要とされている実感が持てていない」と書きました。それが正しいと仮定すると、保育園でまで「出ていきなさい!」と言われてしまったら、二重の疎外感を味わってしまうことになります。


さらにです。保育園に通う子どもは、先生をモデルにしています。先生が子どもにどう接するかによって、子どもの評価を変えるのです。


つまり、子どもがいつもある子を怒って「出ていけ」と言っていたら、それを聞いているほかの子どもたちは、その怒られている子を「あいつは困ったやつだ。ダメなやつだ」と評価してしまうわけです。


こうなればもう、3重の疎外感を味わうのです。そんな風にされてしまった子は、いったいどこに居場所を求めたらいいのでしょう?


思うに、荒れている子は逆にあまり怒ってはいけないのです。受け入れないと。


もちろん友達に嫌なことや危険なことをするのはどうしても止めないといけませんが、それを注意するときでも、きちんと理由を聞いて、気持ちを受け止めたうえで「やってはいけない」と伝えるべきです(悪い行為を認めるわけではない)。


実際私が経験してきましたが、そうした受け止め方をしても、子どもはすぐには変わりません。


でも、1か月、2か月たつと、様子が変わってくるのです。子どもとの信頼関係ができてくるのです。


そうなれば子どもは自然に落ち着いてきます。ただ関係を築いた大人がいなくなると、また荒れてしまったりもするのですが。


ちなみに悪いことをしたときに本気でが~っと怒るやり方でも、場合によってはいい関係が作れる可能性もあります。ただし、先生が子どものことを本気で大事に考えていることが大前提です。


大変な子が増えているのは事実みたいで、地域によっては集団保育が成り立たないようなところもあり、保育士さんも心身ともに疲れ切っているケースもあります。


それでも、なんとか子どもに「自分は大人に受け入れてもらえたんだ」という思いを残していきたいですね。そうした経験があれば、成長して道を踏み外しても、なんとか踏みとどまることができるのではないかと思います。



長くなりました。最後まで読んでいただいた方、どうもありがとうございます。真面目な記事を二日続けるのもちょっと迷ったのですが、昨夜の記事と合わせて読みと理解しやすいと思い、あえて今日アップしました。


子どもも大人も互いを信頼し、受け入れあって、生き生きと過ごせる。そんな社会にしていきたいですね!