子どもが最も傷つく言葉 | はらくんのブログ

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あそび歌作家・シンガーソングライター・アレンジャー(編曲・伴奏作り)・シアターや絵本制作など、いろいろやっている元保育士です^^

言葉というものは、ときに物理的な暴力よりも心に傷を残すものです。


私は元保育士なので、小学校に入る前の幼児さんについて考えてみたいと思います。



幼児さんといっても、年中さんくらいになってくれば、言葉も達者だし体の使い方にも力強さが出てくるし、ある意味「小さな大人」みたいに見えてしまうこともあります。ときには小憎らしいことを言ったりもしますしね。


でもまだまだ子どもです。大人に依存しています。


保育の基本中の基本ですが、子どもは大人に温かく見守られることによって安心感を得て、大人を安全基地として外の世界に興味を広げていきます。そうしていろんなことを知り、経験し、自分を成長させていくのです。


「自分を見守ってくれる大好きな大人(基本的には親)」という安全基地があれば、多少嫌なことがあっても大きく崩れることなく、また外の世界で遊び、挑戦していくことができます。


もちろん成長するにしたがって、大人(親)の安全基地を頼る割合は減っていくのですが(第2次反抗期で子どもが不安定になるのは、大人の安全基地から離れていく過程で、新しくどこを基地にしたらいいかわからなくなるからではないかと)、子どもが小さければ小さいほど安全基地の必要性・重要性は高いです。



ここまで考えると、子ども(乳幼児)がもっとも傷つく言葉は何か? というのが見えてくると思います。


想像してみましょう。もし子どもが、自分にとって最も重要な安全基地であるはずの大人から完全否定されたら……。


「あんたなんかいらない」

「あんたなんかいなければよかったのに」

「あんたがいなければ私の人生もっとうまくいくんだ」

「あんたなんかどこかに消えてしまえ!」



……書いてて悲しくなってしまいますが、実際、最も身近な大人に真っ向からこう言われて育ってきてしまう子がいます。かわいそうです。切なすぎます。


これは建物で言えば基礎の部分が崩壊したことになるので、どんなに地上部分をしっかり作ろうと思ってもかなり難しくなってしまいます。たとえ見栄え良くできたとしても、ぐらぐら不安定になってしまいます。


では、このように否定されてしまった子は、どう成長していくでしょうか。


おそらく自分を守るために、自分の本心を隠し、殻に閉じこもり、やられる前にやらなければという恐怖から周囲に対し攻撃的になるか、なるべく外の世界と関わらないようにするかしかなくなります。人間に対する基本的な信頼感を持てないので、常に不安にさいなまれて生きることになりかねません。



人間やり直しがきくとはいえ、スタート地点でそこまで崩れてしまうと、立ち直るのはなかなか厳しくなってしまうだろうことは想像に難くないでしょう。



以上、私の保育士としての経験や今まで学んできたことをもとに考えてみました。といっても、割と当たり前のことを、ちょっと論理的に書いてみただけなのですけどね。


人間だれしも自分が世の中に必要とされていると思っていたいものです。それは子どもも同じ。だから身近な大人が、子どもにちゃんと「一緒にいてくれてありがとう」と、言葉や態度で伝えていくといいのでしょうね。


さらにいえば、高齢者だって、必要とされていたい、役に立っていると実感していたいのだと思います。そうやって、みんなが「自分は必要とされている」と思うことができたら、犯罪なんてずいぶん減るのでしょう。



めちゃめちゃ長くなってしまいましたが、最後に一言だけ。本当の意味で自立した人間は、人の評価なんて気にしない、自分から周りにどんどん与えていく人間らしいです。僕はまだ無理だな~。